税務調査日程を団体役員の男性に漏らしたとして、京都府警は23日、大阪国税局伏見税務署の上席国税徴収官、佐土原桜茂容疑者(48)=京都市山科区竹鼻扇町=を国家公務員法(守秘義務)違反の疑いで逮捕した。
捜査関係者によると、団体役員は60代で、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)傘下団体の在日本朝鮮京都府商工会の支部幹部。佐土原容疑者とは10年ぐらい前に仕事を通じて知り合ったとみられ、一緒に韓国旅行へ行くなど親密な仲だった。
府警は23日、同法違反容疑で、伏見税務署(京都市伏見区)や佐土原容疑者の自宅など十数カ所を家宅捜索。2人の間に金銭のやりとりがなかったか捜査を進める。
大阪国税局は同日夜、記者会見を開き、「容疑が事実だとすれば国民の信頼を裏切る事態を招いたことになり、誠に申し訳なく、深くおわびする」と謝罪した。
逮捕容疑は上席国税調査官だった昨年9月25日、知人の経営者に関する調査日程を団体役員に携帯電話のメールで教え、職務上知ることができた秘密を漏らした疑い。
大阪国税局では昨年、税務署に勤務する現職調査官がOB税理士と一緒に税務調査でうその説明をしたとして逮捕され、その後贈収賄事件に発展する不祥事が発生。今年6月には別の税務署の調査官が、関係者から現金を受け取ったとして書類送検されている。〔共同〕
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