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<さんまさん>ブレークのきっかけ、39年ぶり大須演芸場に

毎日新聞 10月17日(金)14時28分配信

 ◇「いい小屋や。頑張って残して」

 現在閉鎖中の大須演芸場(名古屋市中区大須)にこのほど、タレントの明石家さんまさん(59)が39年ぶりに訪れた。演芸場は、さんまさんが無名時代に落語家として出演、ブレークするきっかけになった野球選手の形態模写を初披露した思い出の場所。さんまさんは「いい小屋や。頑張って残してもらいたいなあ」と演芸場再開にエールを送った。

 毎日放送のバラエティー番組「明石家電視台 in 名古屋」のロケで、先月28日に収録された。「スポーツの秋・食欲の秋・思い出の秋」がテーマ。

 間寛平さん、雨上がり決死隊、中川家、次長課長など人気タレント一行と訪れたさんまさんは舞台に上がり、「そうそう。1階客席には客がゼロやけど、2階の桟敷席で、どんちゃん騒ぎの宴会やってたこともあったな」と懐かしそう。客席にいたのが当時は名古屋勤務だった実兄1人だけだったこともあったなどと、振り返った。

 さんまさんは1974(昭和49)年に落語家の笑福亭松之助さんに弟子入り。松之助さんに命じられて翌年8月中旬の10日間、修業として演芸場に出演した。落語の後、サービスで野球選手の形態模写を披露したところ、客席や楽屋の芸人たちが爆笑。地元の大阪でも演じるようになり、人気タレントとして売り出す足がかりとなった。「まさかウケると思わへんかったんや」

 当時も演芸場の客は少なく、2階楽屋の化粧台裏には「明石家さんま S50・8中席16日 今日も客なし明日は?」とフェルトペンで書いたさんまさんの落書きが残る。ロケで、さんまさんは建物所有者の求めに応じ、施設の一部に「再開した演芸場が今度は満員になりますように」との願いを込めて「満」の字を書いた。

 番組は大阪地域では19日午後2時58分から。東海地区でのオンエアは未定。

 大須演芸場は、賃料を滞納していた前経営者から、建物所有者が強制執行によって明け渡しを受けた。今年2月に閉館。現在は再開を前提に耐震補強工事などの検討を進めている。【尾崎稔裕】

最終更新:10月17日(金)19時53分

毎日新聞

 

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