エボラ:死者4000人超 3〜4週間で感染者倍増

毎日新聞 2014年10月11日 11時00分

 【ローマ福島良典】世界保健機関(WHO)は10日、西アフリカから欧米に感染者が拡大しているエボラ出血熱による死者数(疑い例を含む)が4000人を超え、4033人になったと発表した。エボラ出血熱が猛威を振るう西アフリカからの飛び火を受け、欧米各国は感染者の入国を監視するため、流行国からの渡航者に対する主要空港などでの検査を徹底するなど水際対策を強化している。

 WHOの8日時点の集計によると、疑い例を含む感染者数はリベリア、シエラレオネ、ギニア、ナイジェリア、セネガル、スペイン、米国の7カ国で8399人。うち半数近い4033人の死亡が報告されている。死者数の内訳はリベリア2316人▽シエラレオネ930人▽ギニア778人▽ナイジェリア8人▽米国1人。

 9月末から10月にかけて西アフリカ以外への感染の飛び火が表面化した。リベリアから米国に入国後、発症したリベリア人男性(42)が10月8日、南部テキサス州ダラスの病院で死亡。また、スペインでは6日、患者の治療を手伝った女性看護師(44)がアフリカ大陸以外で初めて感染したことが確認された。

 AP通信によると、国連のナバロ・エボラ出血熱担当特使は10日、3〜4週間ごとに感染者数が倍増するペースだと指摘し、感染拡大国に対する国際社会の大規模な支援がなければ「エボラ熱の速やかな抑え込みは不可能で、世界は永久にエボラウイルスと共生しなければならなくなる」と警告した。

 米政府は8日、ニューヨークなど主要5空港で、感染が拡大しているリベリア、シエラレオネ、ギニアの西アフリカ3カ国からの渡航者の体温測定などの検査を強化すると発表した。英政府も9日、ロンドンの2空港と、英国と欧州大陸を結ぶ鉄道ユーロスターの駅で3カ国からの渡航者に検査を開始すると明らかにした。スペイン政府は10日、対策特別委員会を設置した。

 欧州連合(EU)議長国イタリアの保健省は10日、対応を協議するための保健相緊急会合を16日にブリュッセルで開催すると発表した。欧州での感染拡大を防ぐため空港での水際対策の強化などを話し合う。

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