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香港 政府と学生団体が初めての対話
10月21日 23時37分

香港 政府と学生団体が初めての対話
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民主的な選挙を求める抗議活動が続いている香港で、政府の幹部と学生団体の代表が事態の打開を目指して初めて対話を行い、学生側が行政長官選挙を巡る中国の決定の撤回を求めたのに対し、政府側は受け入れられないという立場を強調しました。

香港では、行政長官選挙の改革に関する中国の決定が民主派の立候補を事実上不可能にするものだとして、学生や市民が3週間以上にわたって3か所の幹線道路に座り込みを続けていて、政府と学生団体は事態の打開を目指して、双方から5人ずつが出席して21日夜に初めて対話を行いました。
この中で、学生側は「中国の全人代=全国人民代表大会がすべてを決定するのはおかしい」として、中国の決定の撤回を求めるとともに、一定の住民の支持があれば誰でも立候補できる仕組みの導入を求めました。
これに対して、政府側は「香港は独立した政治体制ではなく、中国を無視することはできない」と述べ、撤回を拒否する姿勢を強調しました。
一方で、政府側は、香港で中国の決定に対する反対意見があり、抗議活動に発展したことを中国政府に報告したいという考えを示しました。
これについて、対話のあと記者会見した学生側は「どのような効果があるのか分からない」などと述べて、道路の座り込みを直ちにやめる考えがないことを強調し、事態の収拾につながるかは依然見通せません。

政府側 双方の立場理解するための対話に

会合の冒頭、香港政府のナンバー2である林鄭月娥政務官が「民主化への熱意や理想は理解しているが、被害を受けている市民のためにも占拠をやめてほしい」と述べて、学生側に対して3週間余り続く道路での座り込みをやめるよう求めました。
続けて、林鄭政務官は、学生らが求める民主化について、「国を前提にして進めるべきで、学生らが批判している行政長官選挙の改革に関する決定は直接選挙を可能にし、これまでよりも前進している」と反論しました。
そのうえで、「改革の内容には制限が多いという批判的な意見が上がっているが、制度は変わりうるもので、異なる意見があるなら提案してほしい。今回の対話に勝ち負けはなく、双方の立場を理解するための対話にしたい」と述べ、対話を通じた解決を呼びかけました。

学生側 政府は民主的な改革を

抗議活動を続ける学生団体の代表の周永康秘書長は「今回の改革案によって民主的で自由な社会が築けるとは思えず、多くの人は香港の政治に問題があると考えている」と行政長官選挙の改革案を批判しました。
そのうえで、「現在の香港は貧富の差が大きくなってしまった。これからの世代のために平等な社会を築くには、政府は民主的な改革を進めなければならない」と訴えました。
さらに、別の学生代表は「今回の改革案では市民の基本的な権利が大幅に後退している。香港政府は法律論を振りかざして中国の決定を変えられないというのではなく、法律に基づいて選挙権や被選挙権といった市民の権利を守るべきだ」と主張しました。

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