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猛威振るうエボラ出血熱、729人が死亡 史上最悪
【ブリュッセル=内藤泰朗、ニューヨーク=黒沢潤】西アフリカでエボラ出血熱が猛威を振るっている。3月から始まった感染拡大は史上最悪の規模となり、世界保健機関(WHO)は7月31日、729人が死亡したと発表した。関係各国は非常事態を宣言するなどして封じ込めに全力を挙げており、欧米諸国も感染の連鎖を防ごうと対策に乗り出した。
感染が広がっているのはギニア(死者339人)、シエラレオネ(同233人)、リベリア(同156人)の3カ国。国境を接していないナイジェリアでも1人が死亡し、空路による感染拡大の懸念が欧米に広がった。
WHOによると、感染が確認、または疑われる例は計1323人に上る。チャン事務局長は31日、「新たな段階」に対応すべきだと述べ、対策費として1億ドル(約103億円)を拠出する考えを表明した。
ロイター通信によると、シエラレオネのコロマ大統領は30日、緊急事態を宣言し、エボラ熱の感染が拡大する地域に治安部隊を派遣し、人の出入りを制限する方針を示した。
隣国リベリアの政府も同日、国内すべての学校を一時閉鎖し、基幹業務以外に従事する政府職員に対して30日間の出勤停止を命じる緊急対策を発表した。