渡辺洋介
2014年10月21日21時11分
東京五輪のために建て替える国立競技場(東京都新宿区)から、秩父宮ラグビー場(同港区)に移された「出陣学徒壮行の地」の碑の前で21日、戦没学徒の追悼式があった。戦地に向かう学生を送る出陣学徒壮行会から71年。90歳を超えた学徒出陣体験者や遺族ら約50人が参列し、戦争の記憶を次代に引き継ごうと呼びかけた。
1943年10月21日、大学生らの徴兵猶予が解かれ、明治神宮外苑競技場(現・国立競技場)で壮行会があった。それから50年後の93年、元学徒らが敷地内に碑を建て、追悼式を開いてきた。
この日の追悼式に参列した横浜市港北区の寺尾哲男さん(91)は碑を建てた中心メンバーのひとり。早稲田大から海軍に入りフィリピンに赴いた。「この碑を通じて若い人に学徒出陣のことを残したい。壮行会のあった場所に碑があることが大切」と話す。慶応大塾長の時に学内に戦没学徒の追悼碑を建てた東京都港区の鳥居泰彦さん(78)も「彼ら(戦没学徒)を忘れることは日本の歴史をおろそかにすることだ」と語った。
秩父宮ラグビー場に移された碑は、元学徒らの働きかけもあり、完成後の新国立競技場内に戻される。
今回の追悼式をとりまとめた東京都杉並区の玉川博己さん(66)は父親が学徒出陣の体験者という。「戦争を知らない世代が引き継ぎ永久に守り語り継いでいく」と話した。(渡辺洋介)
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