拝啓、Jリーグ公式ツイッターアカウント様へ:ツイート内容のご提案と紹介
拝啓、Jリーグ公式ツイッターアカウント様へ
Jリーグ様が公式ツイッターを開設されたこと誠に嬉しく思います。しかし御社のアカウント運用にしばし少し迷いが見られます。そして事務的・役所仕事的と多くの批判を受けているでしょう。
近年ツイッター、フェイスブック等のソーシャルメディアも一般に広く浸透し、それはフットボール界においても例外ではありません。多くの世界中のフットボールファンが日々ソーシャルメディアからの情報の恩恵を受けております。それと同時にソーシャルメディアが与える影響ももはや無視できる時代ではないでしょう。
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相撲協会のツイッターアカウント運用
ソーシャルメディアを活かすことができるのならば、客層の新規開拓も不可能ではないと私は確信しております。例として大相撲協会のアカウント(@sumokyokai)を紹介します。八百長事件でイメージは底をつきましたが、その後イメージ回復の為に積極的なソージャルメディア運用を展開。相撲協会のアカウント運営は非常に柔軟かつ、ファン心理を巧みに突いたツイートが多く展開されています。
フォロワー数は6万とそこまでスポーツの公式アカウントほど多くはありませんが、3年間でツイートは22000件以上。365日で割ると1日20ツイート以上している計算になります。ツイート内容は取組結果、力士のテレビ出演情報、巡業情報などはもちろん、巡業中の力士の様子、審判団の様子、巡業の舞台裏や解説などを写真つきで多岐にわたって細かくツイートしています。
<富士山駿河場所>横綱土俵入の出番を待つ、白鵬。呼出 克之と楽しそうに談笑中。 #sumo pic.twitter.com/EPfkX4LDAZ
— 日本相撲協会公式 (@sumokyokai) 2014, 10月 21
特徴はとにかく写真が多いところで、日々力士たちの活動や取組み、舞台裏などがビジュアルでも良く理解できる非常に有益でファンにとって多くの楽しみを提供し、それ以外の層に大相撲について広く浸透させるのに一役を担っています。
日本の伝統的なスポーツですがソーシャル運営は時代の最先端を走っており、日本のサッカーファンの間でも相撲協会のツイートは度々話題にあがり、すでに相撲協会は他のスポーツファンに対して一定の影響力を及ぼしている状況です。相撲協会が八百長事件でどん底に落ちたイメージから回復しつつあるのは、ソーシャルメディアを巧みに利用し、若い人を国技館に足を運ばせたことも理由の一因にあると私は推測しています。
2.提案
Jリーグのアカウントも相撲協会同様に柔軟に運用して行けば良いと考えており、ここでは私がどういうことをツイートして行けば良いか提案致します。これはツイートの事だけでなく、Jリーグ公式のコンテンツ運営にも関わってくるのでこの際に一読していただければ幸いです。
一番私が疑問に感じていることをここで記します。Jリーグ公式とJsGOALの住み分けとはいったい何でしょうか?本来公式がやるべき仕事をJsGoalが担っているのではないのでしょうか?JsGOALのやっていることは公式がやらなくてはいけない最低限の内容です。
JリーグメディアプロモーションがJリーグの公認ファンサイトを運営しているのが不思議な話で、ファンが運営しているファンサイトならまだしも、Jリーグのプロモーション企業がファンサイト(という体)で運営している。何故2つの「公式」が存在するのでしょうか?そんなやり方は世界のどこにもありません。
Jリーグのソーシャルメディア、ウェブコンテンツ展開の最大の弱点は、一つにまとまっていないことです。動画コンテンツ、公式、JsGOAL。それを一つにまとめる方がユーザーには便利ですし、柔軟なソーシャル展開が可能ではないでしょうか。
もしそれが出来ないのであれば公式の運営も思い切ってJリーグメディアプロモーションに一任すべきでしょう。その方が遥かに柔軟性に富んだユーザー重視のコンテンツを生んでくれるはずです。その辺を一度検討していただいても良いではないでしょうか?
Jリーグ公式に提案するツイート内容
1.試合結果(J1.J2.J3)
JリーグはJ3まであります。そこまできっちりやりましょう
2.順位表(J1.J2.J3)
3.その試合のハイライト
単純にゴール集だけの1分半くらいのショートハイライトでも構いません。速報性があればなお良いでしょう。
4.今節のベストゴール集
ベスト5までで良いので積極的に発信しましょう。Jリーグ公式youtubeをもっと積極的に利用していかなくてはいけません。
5.今節のベストセーブ集
GKのベストセーブにもっとスポットを当てましょう。ベストゴール同様、ベストセーブも見ていて気持ちが良いものです。
6.各クラブのツイート
これに関しては躊躇なくリツイートしていくと良いでしょう。
7.各チームのニュース
全チームのチームニュース(公式に発表されているもの)で十分ですので積極的に紹介していきましょう。Jリーグのアカウントは多くのクラブファンがフォローしています。またJリーグの公式ウェブサイトでも掲載すべきと提案致します。基本的にJリーグ公式のウェブサイトを見れば全てのクラブの情報をチェック出来るのが理想です。
8.試合前プレビュー
マッチプレビュー記事とそれぞれの試合における注目選手を紹介するのが良いと考えています。マッチプレビューに関しては各クラブの番記者に執筆を任せても良いでしょう。公式のように1試合だけ多く扱って、ほかは申し訳ない程度で2.3行で済ますプレビューがありますが、それはプレビューではありません。
注目選手に関してはきちんと独自性を示すべきです。注目選手に代表選手をあげても個人的には十分問題ないと考えております。代表選手と言うのはそれだけでライト層に十分訴求可能な存在だからです。注目選手を提示することは試合観戦において最も分かりやすいポイントになるでしょう。
9.試合後コメント
最低でもその試合の監督のコメント、選手のコメント2名分は速報でも必要です。速報後、1日くらいおいてでもいいので一人の選手のロングインタビュー(ブンデスリーガではだいたい質問数10個くらい)を掲載すると良いでしょう。ちなみに記事を拝見いたしましたがその試合のマッチレポートが2行のみというのはあまりにも手抜きすぎです。
10.試合会場の写真
ファンや、マスコット、選手。可能な限りどんどん撮影してツイートしていく方がビジュアル的にも映えます。なによりもファンやサポーターはテレビでは映らない部分の写真を潜在的に要求しております。
例えばミーハーでしょうが可愛いサポーター特集でもかまいません。女性サポーターが多いのはJリーグの最大の魅力かつ世界に誇ることのできる部分です。どんどん発信していきましょう。
マスコットもJリーグが世界に誇る魅力的な文化ですのでもっと発信していくべきです。写真のコンテンツをもっと多く紹介していっても良いでしょう。写真は時に言葉よりも多くのことを語ります。インスタグラム(これに関しては別途提案致します)も立ち上げて写真メインのソーシャル戦略を仕掛けても面白そうです。
11.今節の人気投票
ブンデスリーガでは毎週お馴染みの企画。ユーザーによる人気投票を呼び掛けます。
12.選手特集
これもブンデスリーガではお馴染み。10のことがらシリーズでは香川選手も特集されていました。同時にその選手のプレー動画集もあれば良いでしょう。
13.スタジアムグルメ特集
これは毎週独自のコンテンツとして強化すべきです。私のようにスタジアムグルメ目当てでスタジアムに行く層も一定数いるはず。様々なスタジアムグルメを毎週紹介することにより、スタジアムはサッカーだけを楽しむべきところではないと認知させることが狙いでで、個人的にライト層に訴求する一番簡単な特集ではないかと考えています。
インスタグラム運用の薦め
インスタグラムとは写真がメインのソーシャルメディアで、海外では多くのクラブが自クラブのインスタグラムのアカウントを運用しております。上のインスタグラムはボルシア・ドルトムントの公式インスタグラムです。試合中の選手の写真や簡単な動画など、写真版のフェイスブックといえば簡単でしょうか。試合の舞台裏やスタジアムの様子など、撮影した写真を次々インスタグラムにあげていきましょう。
現在Jリーグの肖像権はJリーグが管理しているとのことで、ならばその利点を最大限に利用すべきです。撮影に関してはソーシャル専門のスタッフを雇ってもいいでしょうし、写真関係の専門学校の学生をインターンとして受け入れたり、授業の一環として専門学校や写真スタジオなどと提携し実戦練習の場として提供。生徒などが撮影した写真を逐一インスタグラムにあげていくのはどうでしょうか?
ソーシャル展開はコンテンツ拡大の「土壌」作り
基本的にJリーグが肖像権・著作権を持っているのならば、多くの写真や動画コンテンツなどを発信していかなくてはいけないのは「義務」です。そしてそれを怠るのならばそれは「罪」です。
多くのJリーグファンが公式や協会に対する不信感を拭い切れないのは、そういった魅力的なコンテンツであるはずのJリーグをフル活用し、内外に積極的に発信しているように見えないからでしょう。従ってこれでもかというほどまずは発信していくことが大事です。
これからの時代ますますソーシャル戦略は重要になっていきます。ドイツ・ブンデスリーガがソーシャル戦略においては相当力を入れていますが、Jリーグもそれに追随するべきです。Jリーグは今週こんなことをやっている、ここがポイント、スタジアムの雰囲気、サポーターやファンの様子、とにかくまずは発信していきましょう。型に嵌る必要はないし、Jリーグ公式がサッカーファンの「身近」な存在であると印象づけることが重要です。
サッカーへの興味を全く持っていない人をスタジアムに向かわせることは相当な困難が伴います。しかし日本にはサッカーに興味があるがスタジアムに足を運ばないサッカーファンがたくさんいます。まずはこの客層をスタジアムへ足を向けさせることを目標にすべきで、そのためにソーシャルメディアの積極的かつ柔軟な展開が必要になるのです。確かにソーシャルメディアが単体で利益を生むことはできません。しかし利益を生み出す「土壌」を作ることは十分可能です。
Jリーグがスタートし20年。クラブがそれぞれこの20年間で地道に土を耕し、種を蒔き、花を咲かせ、美味しい果実のような魅力的なコンテンツがそれぞれのクラブにあります。公式に要求されるのは、それを多くのファン・サポーター、興味を持ち始めファンやサポーターの入口に立つ人、テレビ観戦のみのファン、代表戦にしか足を運ばないサッカーファン、欧州サッカーしかみないサッカーファン、そして最後にサッカーに興味や縁のない一般層に届けること。そしてスタジアムに足を運ばせる「動機」をもたらすこと。
それは当たり前で簡単で、いかにも基本的で素人の考えたことだと笑われるかもしれません。まずは真面目に毎週毎週Jリーグの魅力をあますところなくこれでもかと紹介していきましょう。そのための便利なツールをあなた方はお持ちなのですから。
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