写真:Scoopie News
兵庫・神戸の駅地下商店街「メトロこうべ」の一角にあるゲームセンターのポスターが、「痛いところを突いてくる」とネット上で話題だ。
可愛らしい少女のイラストが描かれたポスターには、吹き出しに次のようなキツイ言葉が並ぶ。
「お前がいなくても会社はまわるし地球もまわる」
「意味のない会議と意味のない飲み会ばかりで会社つぶれないってすごいですね」
「おにいさんお金なくなっちゃったの? じゃあ魔法の呪文おしえてあげるね ハ・ロ・ー・ワ・ー・ク・(ハート)」
「あーいたんだ 存在感もうすいけど頭もうすいね」
このセリフ以外にも何パターンか展開されているが、どれもサラリーマンやニート、中年男性まで幅広い世代の男性の心にダメージを負わせるセリフばかりだ。少女の皮肉交じりの笑顔や蔑むような表情も相まって余計に心に突き刺さる。
Twitter上では「どういう目的なのかw」「わらえ、、、ない?」「ゲーセンの宣伝という要素がほぼ無いのがすごいよね」などの声が上がっている。
確かにゲームセンターの宣伝効果はあまりなさそうだ。一体どういう目的で作られたのか気になるところではある。そこで、メトロこうべの担当者に話を聞いてみた。答えてくれたのは阪神電気鉄道の広報担当者。
「近鉄との相互乗り入れにより、阪神間と奈良をつなぐ『阪神なんば線』が今年3月に開業5周年を迎えました。これに合わせ、近鉄特急車両の神戸への乗り入れが始まるなど、神戸に注目が集まっていたことから『どこかレトロで昭和の空気漂うメトロこうべを活性化しよう』と考えました。そこで、個性豊かなショップをユニークなポスターでPRする『メトロこうべ 見とこ!行っとこ!ポスター博覧会』を企画し、このポスターが誕生したのです」と博覧会の一環だったことを明かした。
同ポスターの製作者について尋ねると「製作者は公表しておりませんが、関西で活躍する若手クリエイターが思いきった表現でポスター化しました。鋭い切り口の同作品は、単なる広告物の範疇を超えた"アート"としてご覧いただければ」と答えてくれた。
どうやらポスターのセリフは、それ自体に深い意味やメッセージ性を込めたというより、注目を集める手段のひとつとして表現したようだ。
「ご指摘の通りです。今回クリエイターの方には、それぞれのお店をPRすることで施設全体の活性化を図るという目的だけを伝えて、広告表現については基本的にお任せしました。ですので、メッセージの本当の狙いはわかりません」とのこと。
解釈は人それぞれの感じ方に任せているようだ。いずれにしても注目を集めることには成功したようである。
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