村井七緒子
2014年10月21日17時34分
風呂が二つあったり、玄関の扉を開けると収納スペースだったり……。個性的な間取り図を見て、住み心地に思いをはせるイベントが25日夜、鳥取市内で開かれる。その名も「間取り図ナイト」。東京を中心に全国各地で30回以上開かれ、毎回ほぼ満席の人気イベントという。
主催しているのは、香川県丸亀市在住の森岡友樹さん(38)。間取り図との出会いは小学生の時。家にあった父親のログハウスの本で間取り図を見つけ、「自分ならここにベッドを置いて……」と想像をめぐらせた。大人になり、東京で一人暮らしをしていた頃、暇つぶしにインターネットで不動産屋の間取り図を見ているうちに夢中になった。
10年前、インターネットの交流サイト「ミクシィ」にコミュニティーページを立ち上げると、間取り図が好きな人たちが集まって大盛況に。2007年から間取り図のおもしろさを語り合うイベントを開くようになり、13年には「間取り図大好き!」(扶桑社)も出版した。
楽しみ方は「どんな人が住むのか、自分だったらどういう風に生活するかを妄想すること」と森岡さん。各部屋の台所が玄関の外の通路にあるアパートでは、夕食時に住民たちが出てきて料理し、おかずを交換しあってコミュニケーションが生まれる様子を思い浮かべる、という風に。
中には階段の途中に扉があるなど、単なる書き間違いもある。だが、森岡さんは「実在するかどうかは重要じゃない。扉を開けて階段だったらジャンプして家に入らないといけないね、とか、本当にあったらどう住むかを想像することが楽しい」と話す。
鳥取には何度か来たことがあるといい、「大山や倉吉の町並みが大好き」。イベントで訪れる各地の物件情報も調べるが、「鳥取はネットに出ている情報量が圧倒的に少ない。おもしろい建物がたくさんあるのにもったいない」という。
今回の間取り図ナイトは25日午後7時半から、鳥取市栄町の「cafe SOURCE banquet」で。県全域の飲食店などで開催中の街歩きのイベント「トリベル~手仕事×まち歩き×自分だけの地図」の一環で催され、約200件の間取り図が紹介される予定。先着70人、参加費1500円。
同日午後2時半からは、森岡さんと市内の中心市街地を歩いて町の変化を読み解く散歩企画もある。先着20人、500円。いずれも予約は専用サイト(http://mdrzture2014.tumblr.com/)から。(村井七緒子)
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朝日新聞社会部
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