京都・旧しごと館、文化財避難拠点に 防災ネット推進本部初会合
災害による文化財の被害防止や救援体制の強化を目指す文化財防災ネットワーク推進本部は21日、京都府の研究開発拠点「けいはんなオープンイノベーションセンター(KICK)」(精華町、木津川市)の一部を、災害時に文化財を避難させる施設として活用する方針を明らかにした。文化財が多い京都府と奈良県の中心に位置する地の利に着目し、今後、府と調整を進める。
同本部は東日本大震災で多くの文化財が被災した教訓を踏まえ国立文化財機構(理事長・佐々木丞平京都国立博物館長)が中心となって今年7月に発足。東京都内で21日、日本博物館協会など参画する15団体を集めた初会議を開き、活動方針を説明した。
KICKは、国から「旧私のしごと館」の無償譲渡を受けた府が再整備し、入居希望を募っている。100平方メートルの収蔵庫が2カ所あり、同本部は近隣の博物館や美術館が地震で倒壊するなどした場合、収蔵品を保管できるように整備する方針で、「文化財の防災レスキュー拠点として、年度内に活用策をまとめたい」とした。
同本部は今後、被災文化財の応急処置を学ぶ研修会を京都で開催するほか、未指定文化財の所在把握、迅速な救出活動を行うための体制づくりも進めていく。
【 2014年10月21日 22時20分 】