板垣麻衣子
2014年10月21日15時34分
イタリアでの生活を題材としたエッセーや翻訳で知られる作家の須賀敦子さん(1929~98)が生前、友人夫妻に宛てた手紙55通が見つかった。亡くなる前年まで22年間にわたって書かれたもので、身辺について、心を許した友人ならではの率直さでつづっている。
手紙は、29歳から13年間イタリアで過ごした須賀さんが帰国後の1975~97年に書かれた。ハワイ在住の友人夫妻宛てで、須賀さんの妹が昨年、夫妻から受け取った。夫妻は晩年に病床の須賀さんを看病するほどの仲だったという。
手紙にはこんなくだりがある。
「古典の簡潔さを求めること、簡潔な文章を書くことの勇気を持ちつづけたいと思いました」(77年8月)
「もう私の恋は終りました。その人をみてもなんでもなくなってしまった。これでイチ上り。一寸淋しいきもちだけど しずかで明るいかんじも戻ってきました」(77年5月)
一部は、神奈川県立神奈川近代文学館(横浜市)で開催中の「須賀敦子の世界展」で25日から展示される。また、24日創刊の女性誌「つるとはな」にも2回に分けて掲載。編集制作の松家仁之(まさし)さんは「ここまで率直に気持ちを書いているものはなく、驚いた。他の人への手紙とは全くトーンが違う、この人にはなんでも書いていいという信頼が伝わってくる」と話している。(板垣麻衣子)
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