最近、Skypeでうつ病から社会復帰の真っ最中のフォロワーさんとアレコレ喋った時に、「定時でもしんどくて働くのが大変だ」と言う話になった。
僕も躁うつ病療養直前は8時間とか、その日の進捗次第ではもっと早く終る仕事が終わった時でもバテバテになっていた。
療養開始から半年間はとても体力作りどころじゃなく、抗鬱剤の副作用・運動不足・根っからの大食漢ぶりが悪魔合体して激太りした。
しかし、うつが良くなっていく度に体力作りを始めた。
まずは、隣の駅にラーメンを食べに行くところから初め、今では15キロ以上歩いたり、軽いランニングもできるようになった。
その時のノウハウをSkypeで話したところ評判が良かったので、その話をしてみたい。
小中学校に通学する距離さえ辛くなるほど衰えた1年半前
しかし、冷静に考えてみると隣の駅までとか、5キロ歩いたとか…その程度のことは子どもの頃は当たり前にできた。それに加えて、体育の時間も昼休みも部活動も子どもの頃は当たり前にやれた。
だから。体力ベースで言えば10キロぐらいはぶっ通しで歩けないと人としておかしく、少なくともまともに働く体力がないと思われても文句が言えない。
でも、うつ病になる辛さ…あるいは若くして引きこもり生活に入ってしまう辛さはその「当たり前」ができなくなってしまう。
結果、引きこもりやうつ病にも頭がいい人・才能ある人はいるのに、社会復帰できずに苦しむのは「体力作り」のやり方がわからない・わかってても挫折してしまうことにある。その中には体力で解決する問題が多い。
しかし、引きこもりの場合は運動に対するノウハウがなく、うつや激太りした人は昔やっていた運動と同じペースでやれば体を痛めて続かない。…そこが悩ましい。
思わぬところで役立ったのは高校時代の経験
不幸中の幸いと言うべきか、僕は「激太りから体のキレを戻していく」のが初めてではなかった。
そのため、一番大事なコツを知っていた。
元々の僕は中学生までイケハヤみたいなガリガリの痩せ柄だった。ところが、中学3年の担任との相性が悪く、内申点制度のせいで入試で高得点を取らないといけない…というプレッシャーから20キロの激太りを経験した。
そのため、高校で部活動を始めた時に驚くほど体が動かなかった。持久走でランニング中に歩いたことがない僕が、人生で初めて苦しさのあまり足を止めた。
「あ、もうかつての自分ではない、別の誰かなんだ。」
スポーツ特待生に「ちんたら走ってたな」と言われた時言い返せなった。
でも、現実に体力を戻す時には「ちんたら」しか動けない。
でも、「ちんたら」を続けるうちに入部から1年で10分ぐらいタイムを縮めた。一番ダメな時の自分にうんざりしないで、その時その時でがんばりぬいた結果だ。
僕らは努力する時に「世間的な基準」「できて当たり前」の基準に当てはめて努力そのものが惨めに思えてしまったり、できもしないのに見栄を張ってしまうことがある。だけど、できない人間がただ体を痛めるだけの練習をしても意味なんかない。
自分のベスト…まずはそこを少しづつ越えて行くことでしか現状の自分は良くならない。急激に悪くなった時は過去の栄光を捨てて「ダメな自分を受け入れて」努力するしかない。
「世間一般の基準」はある程度できるようになってから目指せばいい。ものすごく低いところにいるときは手近な目標から少しづつ上がっていく方が行くべし!
…カッコいいこと書いたけど、僕自身努力がムダだと思ってた時期もあり、むしろこの続きでは僕の再起する努力はことごとく裏切られた。
1年生の時にした努力は転校して部活ができないほど遠い学校に通い始めたことでチャラになってしまった。
それこそ、こういう心境だよ
365日毎日ブログを書き続けてきたけど、結局何も起こらなかったよ。
僕も「中学時代の俊足には戻れないならはじめから受験勉強ばっかりしてガリ勉くんになればよかった…」と当時は思った。
ところが、高校までの経験はうつ病から復帰する時の体力作りに役に立ってる
・ちんたらしか動けないダメな自分を受け入れて一歩づつやる心構え
・全国区の運動部を指導してた高校時代の体育教師が教えてくれた腰を痛めないでできる腹筋(家族で暮らしてる間は自宅で筋トレしなかったから、実に数年ぶりに思い出した)
・小学校以前にやっていた球技の感覚(少し歩いた場所に壁当てができそうなところを見つけて上半身を鍛えた)
・東京暮らしでも運動できるようにこまめに歩くコース/距離を策定した経験
…人生の中で全く関係のなさそうなパーツが自分が何かしたいと思った時に次々とつながっていった。
前にもこのブログで述べたと思うが、私の高校1年の時の担任の口癖に
「ムダなものは1つもない。ムダにしているのはお前らや!」
と言うのがあるが、本当にムダかと思っていた経験が役に立った。
そもそも、よく考えてほしい。
学校の授業や部活動でやってたことをそっくりそのまま大人になっても仕事にしてる大人の方が少ない!でも、その時に本を読みこなす訓練、部活で培った達成感、テスト前にどうやって良い点を取るか考える試行錯誤…そういう苦労は一生モノで学校に出ても役に立つ。
目に見えるほどはっきりとしてないから「何だくだらない」と思うが、その時考えたこと、やろうとしたことをめぐりめぐって活用できる日は来る。
僕がうつに陥って、あるいはうつ以上の挫折をして「0からスタート」をしてる人に伝えたいのは腹筋のやり方よりも、からだの科学よりももっとささいなことだ。ささいで誰でも持ってるのに、ネットではググれない見落としがちな平凡なこと。
自分が持ってる小さなカードを組み合わせて、実践していく。面白くはないけど、そのぐらい自発的になれない人はネットでいくらカッコいいノウハウを見てもうまくいかないよ。
デブが腹を引っ込められない理由
それらを踏まえた上で、最後にノウハウの話。
まずは歩くこと。歩くことについては都市部なら駅や隣駅の飲食店を目安にしてからだを動かすことを目標にして行くといい。
短い距離なら普段着でいいし、5キロ10キロ超えて汗ばむぐらいになったら動きやすい格好で。近場に河原や公園など広い場所があれば、そこが空いている時間に自分の世界に没頭してやり込むべし。
国道など大通りを行く場合は夕方以外はそんなに歩く人が通らないからそこだけ避けるべき。引きこもりもうつ病も学校から帰る中高生とぶつかるとメンタル的に良くないからウォーキングするにしても午前中とか夜に少しかかるぐらいの時間を狙った方がいいかも・
さて、5キロ・10キロ歩けるようになったら次は筋トレだ。
筋トレのうち、背筋や腕力は重いものを担いだり、球技で自然と付けることができるけど、問題は腹筋だ!腹筋だけは意識して鍛えないとうまく行かない。しかも、腹筋を鍛えて得られる効果はでかい。
しかし…僕はうつ病療養中に体力もなくなり、なおかつデブだ。だから、普通の人のように腹筋やスクワットを突然やっても体を痛めて断念するしかなく、一工夫が必要だった。
頭ごなしに「腹筋100回やれ」とか言う人がいるが、お腹がポヨポヨのひとって上半身を起こすごく一般的な腹筋やるとそもそもしんどい。
だから、腰を痛めにくい「寝ながらやる腹筋」を覚えないといけない。サイトとしてはこのへんが詳しいかな…。
腹筋の鍛え方にはコツがある! 毎日やらずに腹筋を割る筋トレ方法
腹筋というと上半身を体を起こすモノとして教え込まれるけど、寝た状態で下半身を自転車漕ぎのように動いたり、それでも体を痛める場合は膝を持って前後に動かして…イメージとしてはこんな感じ↓
寝たままでいる腹筋で一番楽な奴がこれ。これを2日に一度5セット以上やるようにした結果、腹回りに筋肉がついて姿勢が良くなったし、触ってわかるほどはっきりと贅肉も減った。
他にも腹筋で有名なのは「OTL」になってあべこべの手足をピンと伸ばして体制を維持するやつだが…これは一人暮らしで部屋が狭いとやりにくいので、あまりオススメしない。(上から見るとこんな感じ。)
一応、ヨコの図も。
毎日やるよりも1日置きで筋肉を休めながらやるのがコツ。やる時は痛くなるまでセット数を重ね、一セット毎にインターバルを置いても痛くなったらやめる。(そこまでやれば、たいていは腹筋が筋肉痛になってくれる)
時間と体力があまってるなら腹筋をする前後どちらかに有酸素運動(歩いたり走ったり)すると効果がもっとはっきりと出るからおすすめ。
むしろ、有酸素運動が十分にできる体力もないうちからで腹筋やるとしんどいだけだから体力を戻したい時はまずは有酸素運動ができるようになることが優先。
ちなみに、有酸素運動は「全力で走る」よりも「ちんたらでいいから足を止めずに走る」のができない時はおすすめ。下半身も肺活量も疲れないけど、ずっと腕を振り続けるから距離の分だけ上半身はそれなりに疲れる。
運動部上がりからすれば、「ぬるい」と思うけど、高校卒業してからこの程度の運動さえしない奴・病んでしまってこの程度のことができなくなるやつは多い。
そして、「この程度」と見下すレベルであっても、プライドが邪魔して自分の出来る運動をコツコツやらない人が意外に多い。
でも、体力が堕ちた時に大事なことはそういう地味~な努力なんだ。
精神面が健康で人ごみなども苦手じゃないなら、観光気分で東京の名所を歩くのも一つの手だよね。毎日、筋トレ目的で同じところ歩くのも退屈だし。
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ライフハック風記事つながり。まぁ、少し仕掛けもありますけどね。