「アベノミクス」は勢いを失った。日本経済の復活への道は以前にも増して、長く厳しく、危うさをはらんでいるようだ。
安倍晋三首相は17日、イタリア・ミラノでのアジア欧州会議(ASEM)の際、FTのインタビューに応じた。この中で安倍首相は、改革は進行中と主張した。世論調査では日本の国民の8割以上が首相の名前を冠した改革(アベノミクス)の恩恵を受けていないとの結果が出ているが、安倍首相は時間が必要だと訴えた。「経済の好循環が始まり、国のすみずみまでその効果が感じられる日が必ず来る」と述べた。
以前の外遊では、安倍首相はアベノミクスを自信満々に売り込んでいた。ニューヨーク証券取引所のトレーダー相手に「バイ・マイ・アベノミクス(アベノミクスは買いだ)」と強く勧めたこともあった。しかしミラノでの安倍首相の様子は慎重で、時に守りに入っていた。同首相はアベノミクスの成果を疑問視する評論家に対し、いらだちを見せる瞬間もあり、「アベノミクスで、それまで日本で長く根付いていたデフレ期待を払拭できた」と強く主張した。
安倍首相は4月に消費税率を5%から8%に引き上げた後、日本経済が急激に後退したという見方に反論した。政府債務の国内総生産(GDP)比が240%で、今後さらに上昇が見込まれるなか、新たな歳入源が必要なのは明らかで、消費税率は8%から10%へ引き上げが予定されている。
とはいえ、増税で景気後退に陥れば、政府歳入も減少し施策そのものが「無意味」になることを安倍首相は認識している。
■デフレとの闘いの成果を強調
こうした難しい状況を前に同首相は、アベノミクスが、特にデフレとの闘いでこれまでに上げたとする成果を強調した。首相は賃金が上昇していることや求人が大幅に生じていることを指摘する。さらなる構造改革も決まっている。
「電力の自由化は進行中だ。また、過去には誰もやろうとしなかった農業協同組合の改革を実行することを決めた。医療分野や雇用法の改革も同様だ」と安倍首相は話した。
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