道徳を「特別の教科」に 中教審が答申10月21日 16時37分
中教審=中央教育審議会は、道徳教育の充実に向けて、小中学校で教科とは別の枠組みで授業が行われている道徳を「特別の教科」と位置づけたうえで、国の検定を受けた教科書を導入することや、児童生徒を記述式で評価することなどを下村文部科学大臣に答申しました。
中教審=中央教育審議会は、下村文部科学大臣の諮問を受けて、ことし3月から道徳教育の充実に向けて議論を行い、21日の総会で下村大臣に答申しました。
答申では、小中学校で週に1回程度、教科とは別の枠組みで授業が行われている道徳について、「学校や教員によって指導の格差が大きい」などとして、「特別の教科」と位置づけて教育の内容を改善する必要があるとしています。
そのうえで、現在は、文部科学省が作成した教材や民間の教科書会社の副読本などの中から、各学校が選んで授業で使っているのを改め、新たに国の検定を受けた教科書を導入するのが適当だとしています。
また、児童生徒の評価については、数値による評価は不適切だとしたうえで、個々人の成長の様子などを文章で記述するとしています。このほか、答申では、授業は原則として児童生徒をよく理解している学級担任が担当することが適当だとしているほか、現在、週1回程度の授業時間を維持するとしています。
答申を受けた下村文部科学大臣は、「今回の答申を契機に学校での道徳教育の充実を図るのはもちろんのこと、家庭や地域との連携を強化して社会全体でこれからの時代を担う子どもたちのよりよく生きる力を育成することができるよう力を尽くしていきたい」と述べました。
文部科学省は、答申を基に学習指導要領の改訂や教科書の検定基準作りなどを進め、早ければ平成30年度から道徳を「特別の教科」にする考えです。