池田拓哉
2014年10月21日13時06分
日比谷や西、浦和。首都圏の公立トップ高が小学生の「青田買い」に続々と乗り出している。中高一貫の公立校が国立や名門私立と中学受験生の争奪を繰り広げるなか、成績優秀な子どもたちが高校受験に流れてこなくなることを心配しているからだ。
「日比谷はリーダーを育てる高校。考える力と幅広い知識を身につけ、豊かな人間性を育んでください」。東京都立日比谷高(千代田区)が今月1日に開いた学校説明会。武内彰校長が東大など難関大学への進学実績のほか、体育祭や合唱祭といった学校行事の充実ぶりをアピールした。
集まったのは小学5、6年生とその保護者ら計約110人。模擬授業ではニワトリの頭部を助手役の高校生と解剖し、鳥の小脳が発達している理由を一緒に考えた。同校にとって、小学生向け説明会は初の試み。杉並区の福田遼子(はるこ)さん(11)は「詳しく教えてもらって面白かった」と話した。
東京23区では区立小学校を卒業した約2割が私立中学に進む。多くは高校も併設。一方、東京で2005年に登場した公立の中高一貫校も学費の安さなどを背景に広がり、千葉、埼玉、神奈川との1都3県で19校に上る。学力の高い子どもが中学受験の前に、高校卒業までの進路を固める傾向が強まっている。
「待ち」の姿勢ではいられない――。日比谷など7高校の校長がつくる「首都圏公立進学校校長会」の今年6月の会合では、伝統校の魅力を小学生や保護者にどう発信するかがテーマになった。注目された手法が小学生向け説明会だった。
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