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【大リーグ】

青木、チェン打ちで王手 ロイヤルズ、PS無傷の7連勝

2014年10月16日 紙面から

◇ALCS第3戦 ロイヤルズ2−1オリオールズ

 仕留めるべき時に仕留めた。前日は雨天中止。だが、ロイヤルズの勢いは止まらない。1−1と同点で迎えた6回。決勝点を呼び込んだのは、青木のバットだ。

 「ここだな、というのは分かっていた。もう、何が何でも出るつもりだった」

 直前にムスタカスの好守備があり、大盛り上がりの中で迎えた6回の打席。観客席から「ノリ・コール」が起きる中、青木が89マイル(約143キロ)ツーシームをバットの芯ではじき返す。「1、2打席はやられていたので、生かすことができた」。前の2打席はともに二ゴロ。ヤクルト時代、打率3割8分9厘と打ち込んでいた左腕を3打席目で捉えると、後はもう“必勝パターン”だ。ベンチはすかさず代走ダイソンを起用。60ヤード(約55メートル)を6秒3で走るいだてんは4番ホスマーの右前打で三塁に進み、5番バトラーの左犠飛で悠々生還。盤石のブルペン陣が1点を守り、無傷でWS進出へ王手をかけた。

 「みんな一戦一戦、必死にやっているのが伝わる。毎日いい状況で野球がやれている」

 接戦をことごとく制して今PS7連勝。うち、青木も5戦で安打を放っている。打撃が上向いたのはシーズン後半から。「日本流の横から(ボールを)上げるティー(打撃)を取り入れた」。日本では定番のトス打撃を練習に導入。これが奏功して9月は打率3割7分9厘と打ちまくり、この日もバットで突破口を開いた。

 世界一に輝いた1985年を含めればPSは10連勝。快足を生かして勝ち続けるロ軍に、オ軍ベンチは厳しいタッチプレーやけん制偽投などで対抗するが、これが逆に青木の負けじ魂を刺激。「僕もベンチで見てて熱くなるような場面もあった。ああいうプレーを見て、絶対に負けられないと思う」。29年ぶりのリーグ制覇まで、あと1勝。だが、「ワールドシリーズに出て、世界一になることが目標」と既に視線は先を見る。

 今PS、勝利の瞬間をいずれもベンチで迎えている青木は決まって一番乗りでマウンドへ。「最後に勝った時に、やっぱり輪の中にいたい」。打席でもベンチでも、戦う気持ちは同じ。WS進出を決めた瞬間も、喜びを爆発させた青木が歓喜の輪の中心にいるはずだ。 

  (カンザスシティー穐村賢)

 

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