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英に逸材16歳「夢は日本のフル代表」
サイ・ゴダード(3月18日)
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【大リーグ】AKI猪瀬がWS徹底分析2014年10月21日 紙面から 大リーグの今季王者を決めるワールドシリーズ(WS、7回戦制)は21日(日本時間22日)、ア・リーグを制したロイヤルズが本拠地カウフマンスタジアムにナ・リーグ王者のジャイアンツを迎えて開幕する。ワイルドカード勢が激突するのは2002年以来12年ぶり。ロ軍はポストシーズン無傷の8連勝と勢いづくが、WSを制するのは29年ぶり進出の“復活”ロ軍か、それとも10、12年世界一の“常勝”ジ軍か−。本紙でコラムを連載する大リーグアナリストのAKI猪瀬さんが両軍を比較、分析した。 ◆先発投手第1戦に先発する両軍のエース、ジャイアンツの左腕バムガーナーとロイヤルズの右腕シールズ。ポストシーズンに入ってロードゲームでの連続無失点記録を樹立するなど、リーグ優勝決定シリーズMVPを獲得したバムガーナーに対して、「ビッグゲーム・ジェームズ」の愛称通りに各ステージの初戦を任されてきたのがシールズです。 ここまでの両エースの投球内容を比較すると、圧巻の投球を続けているバムガーナーの圧勝と言えるでしょう。エース対決では実力の差がはっきりとしている両軍の先発陣ですが、2戦目以降の投手ではでき過ぎの感のあるベテランのピービやハドソンらを擁するジ軍よりも、「100マイル(約160キロ)・ボーラー」のベンチュラ、技巧派左腕のバルガス、日系人右腕ガスリーの4人で形成するロ軍先発陣の方が、ジ軍の先発陣よりも優れていると考えます。 ◆打線爆発的な攻撃力を持たず、両チームの本拠地がともに投手有利なボールパークであることを考えると、両軍が得意な僅差の接戦が多くなるでしょう。 攻撃陣の状態は、1番から9番まで切れ目なくつながっていくロイヤルズに対してジャイアンツは、四球や失策など相手のミスを利用し、無安打でも得点が記録できる試合巧者ぶりを発揮してきました。しかし、ロ軍は投手力と安定感抜群の守備力を誇るだけに、相手のミスにつけ込んで得点を重ねるジ軍の攻撃パターンは機能しない可能性が非常に高くなると思います。 少ないチャンスを得点につなげることができる両軍ですが、足のスペシャリスト、ダイソンとゴアを擁するロ軍の方が、機動力を生かして確実に得点を奪える、スペシャルパターンを持っているので、相手のミスにつけ込むジ軍よりも、確実に得点を記録できると予想します。 ロ軍は敵地での3試合で指名打者を使えないため、打線をどう組むかが課題となりますが、不動の指名打者バトラーの状態がいまひとつなので、さほど問題にはならないと考えます。 ◆救援投手8連勝で勝ち上がってきたロイヤルズですが、そのうちの6勝は救援陣に勝ち星が付いています。そのことだけを見ても、いかにロ軍の救援陣が優れているかが分かります。特に7回ヘレラ、8回デービス、9回ホランドの順で登板してくる3投手は、ここまでのポストシーズンで通算25イニング2/3を投げ、30奪三振、失点はわずかに3点しか記録していません。この3投手が控えているために、相手チームは「6回までにリードを築かなければ勝てない」というプレッシャーに襲われてきました。 一方のジャイアンツは、ロ軍の3投手を上回るほどのインパクトがないために過小評価されがちですが、実はポストシーズンの救援防御率では、ロイヤルズの1・80よりも優れた1・78を記録しています。 多種多彩な投手陣を状況に合わせて変幻自在に起用してくるジ軍に対し、盤石な勝ちパターンを誇るロ軍。成績ではジ軍ですが、三振を奪える投手が豊富なロ軍の救援陣の方が、短期決戦では有利になると思います。 ◆総評1985年以来29年ぶりにWS進出を果たしたロイヤルズに対して、過去5年間で3度目の大舞台となるジャイアンツ。いうなれば、甲子園常連の強豪校と片田舎から甲子園初出場を果たした弱小高校のような対決となったのが今季のWSでしょう。 ロ軍はリーグ優勝決定シリーズ第4戦からWS第1戦まで1週間空いたため、8連勝の勢いが失われないかと心配されていますが、米国内では「ロ軍有利」との予想が多くなっています。それでも、決して死なない、決して負けないことから2012年同様に「ゴキブリ軍団」と呼ばれているジ軍を倒すことは、容易なミッションではないでしょう。 ワイルドカードゲームを勝ったときにジ軍のボウチー監督は「われわれジャイアンツには、ポストシーズンを勝ち抜く術を知っているDNAが組み込まれている」と語っていました。 ミスが少ないクリーンな試合が続けばロ軍ですが、初めて経験する大舞台のプレッシャーにロ軍の選手がのみ込まれるようなことがあれば、ジ軍の“あり地獄”にはまり、サンドバルが語るところの「ジャイアンツの拷問」の餌食になってしまうかもしれません。 それでも、要所要所でわずかながら戦力が上回っているロ軍が4勝2敗で29年ぶりの世界一に輝くと私は予想します。 PR情報
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