【ソウル聯合ニュース】韓国大統領直属の統一準備委員会は20日、大韓商工会議所で開かれた南北統一に関するセミナーで、南北が統一した場合、2050年時点での1人当たり名目国内総生産(GDP)は7万ドル(約750万円)に達し、20カ国・地域(G20)のうち、2位になるとの見通しを示した。
◇50年GDP 7万ドル 年5万人の雇用創出効果
同委員会の金炳椽(キム・ビョンヨン)経済文科専門委員(ソウル大教授)は南北統一した韓国の50年時点の1人当たりGDPが推定で7万3747ドル(韓国8万2421ドル、北朝鮮5万7396ドル)、年間成長率は4.51%(韓国2.63%、北朝鮮9.55%)になると発表した。為替レートを考慮し、G20と1人当たりGDPを比較した場合、統一後の韓国のGDPは30年には11位(3万5718ドル)だが、50年には米国(9万4264ドル)に続き2位(8万3808ドル)に浮上すると予想した。
金委員は「経済的な面から『2地域1体制』を前提とした漸進的統一が望ましい」とした上で、北朝鮮が市場経済を導入するのが経済成長の必須条件と説明した。また「経済統合と統一により、15~50年の韓国の年平均経済成長率は0.735~0.806%追加で成長する」と指摘。「これは毎年5万人の雇用が新たに創出されることを意味する」と強調した。
◇人口7千万人以上の大規模内需市場確保 経済の再成長
イ・イルヒョン対外経済政策研究院長は討論で、「中長期的に統一によって起こる政府予算節減より、市場拡大、地理的制約解消などにともなう統一後の韓国の潜在成長率増大の利益がより大きい」と指摘。また「7千万人以上の大規模内需市場を確保するなど、韓国経済が再跳躍するための踏み台ができる」との考えを示した。
ポスコ経営研究所の康太榮(カン・テヨン)副社長は、「投資、雇用、企業の社会的責任(CSR)活動などにより、企業の積極的な役割が伴ってこそ統一後の経済的相乗効果が可能だ」と述べた。また、北朝鮮事業のリスクを最小限に抑えるため、南北の政府共同の努力が求められるとした上で、▼南北関係改善努力および対北朝鮮政策の一貫性維持▼北朝鮮の核問題解決および国際社会の対北朝鮮制裁緩和▼北朝鮮内の特区造成によるインフラ改善▼投資規制緩和および対北朝鮮投資に対する韓国、北朝鮮当局の保護――などを求めた。