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【プロ野球】

稲葉が変えた ハム0−4から大逆転

2014年10月20日 紙面から

ソフトバンク−日本ハム 7回表2死一塁、中前打を放ち一塁へ走る代打稲葉=ヤフオクドームで(横田信哉撮影)

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◇クライマックス・パ ファイナルS第5戦(ヤフオクD) 日本ハム6−4ソフトバンク

 プロ野球パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(6試合制)第5戦は19日、ヤフオクドームで行われ、日本ハムがソフトバンクを延長11回の末6−4で破り、ソフトバンクのアドバンテージ1勝を含めた対戦成績を3勝3敗のタイに持ち込んだ。20日の第6戦で、日本ハムは勝てば2年ぶり、ソフトバンクは勝つか引き分けで3年ぶりの日本シリーズ出場となる。セ・リーグは阪神が9年ぶり出場を決めており、25日に甲子園で開幕する。

 たった一人の男の存在感が、場内の空気と勝負の流れを一変させた。4点ビハインド、6回まで散発3安打。敗色濃厚だった日本ハムが7回2死一塁、投入した代打は今季限りで引退する稲葉だ。

 「さすがにこれが最後の打席になるかな、悔いのないよう思い切り振ろうと思った」

 中前打でチャンスを拡大すると、まずは大野が2点適時二塁打。西川の『幻の同点弾』となった適時三塁打が続いて1点差に迫った。さらに8回。中田が「稲葉さんがつないでくれたから、オレもつなぐつもりだった」とCS通算5号ソロで同点。あれよあれよと流れが日本ハムに向き、延長11回、中島の決勝打を呼び込んだ。

 負けはもちろん、引き分けでも敗退となる瀬戸際の1戦。一振りで流れを変えた。これが稲葉だ。「稲葉はスゴイね。感動した。これで明日また試合ができる」。栗山監督は涙がこぼれないよう、潤んだ目で天井をにらんだ。

 敵地の客席も巻き込んだ。「代打・稲葉」のコールに沸き立ったのは、日本ハムファンだけではなかった。4点リードの余裕もあったのだろう。7回裏の「若鷹軍団」合唱に備え、赤や黄色のバルーンを膨らませていたホークスファンたちも、バルーンを振り振り応援。日本シリーズをかけた大一番ながら、稲葉ジャンプをした人たちまでいたほどだ。

 稲葉自身、このCSはすべて代打で5打数3安打、2打点と勝負強さを発揮している。だが、何より「稲葉さんと1日でも長く一緒にプレーするんだ」を合言葉に中田を中心に若手たちが奮起。日本シリーズまで、背番号41のユニホームを脱がせない。 (竹村和佳子)

 

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