京都の米軍通信所:「Xバンドレーダー」搬入 国内2例目

毎日新聞 2014年10月21日 12時37分(最終更新 10月21日 12時39分)

米軍経ケ岬通信所に到着したXバンドレーダー=京都府京丹後市で2014年10月21日午前7時43分、本社ヘリから西本勝撮影
米軍経ケ岬通信所に到着したXバンドレーダー=京都府京丹後市で2014年10月21日午前7時43分、本社ヘリから西本勝撮影

 米軍の高性能早期警戒レーダー「Xバンドレーダー」が21日未明、京都府京丹後市丹後町の米軍経ケ岬(きょうがみさき)通信所に搬入された。米軍のミサイル防衛システムの一翼を担うもので、2006年の青森県つがる市の航空自衛隊車力(しゃりき)分屯基地への配備に続き、国内2例目。12月末に本格運用する予定で軍人20人、軍属140人が所属する近畿初の米軍基地となる。22日に米陸軍第14ミサイル防衛中隊の発足式を隣接する航空自衛隊経ケ岬分屯基地で開く。

 昨年2月の安倍晋三首相、オバマ大統領の日米首脳会談で配備に合意していた。

 レーダーはトレーラーでけん引する移動式で全長約13メートル、高さ3メートル。直進性が高い電磁波を高出力で発射し、1000キロ先の野球ボールの動きをとらえる性能があるといわれる。国土交通省は11月1日から基地の海側の半径、高度とも6キロの半円柱状の飛行制限区域を設定する。

 レーダーは午前4時27分、厳重な警備の中、トレーラーに乗せられ基地の正面ゲートから入った。徹夜で警戒していた地元の住民団体「米軍基地建設を憂う宇川有志の会」の永井友昭事務局長ら10人が反対の声を上げた。その後、メンバーら30人が午前7時過ぎから基地前で抗議集会を開き、住民への事前の通告がないままの搬入は「住民の安全・安心をないがしろにするものだ」などと抗議した。【塩田敏夫】

最新写真特集