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パリの美術館で作品展示してくるなど

パリの美術館ゲテ・リリック(Gaite Lyrique)で開催中の、Capitaine Futurというエキシビジョンにて、拙作のTHE GIANT MAPが展示中させて頂きました。展示帰還は10月18日から来年の2月8日まで。パリ在住の方、パリに遊びに行く予定の方は是非。



THE GIANT MAPって何?
子供がゴジラのように暴れられるインタラクティブな巨大グーグルマップです。

このマップはGoogle Mapにレーザーセンサーやシェーダー、物理エンジンなどを悪魔合体し、さらに日の出や日没、色調補正、飛行機や霧や雲などを追加したもの。子供の歩行を検知して地響きとともに大地が割れ、大爆発する超インタラクティブGoogle Mapです。ド直球のアイデアですが、ググっても誰も作ってないっぽかったので、アルバイトの岩谷君と一緒に勢いで作ってみました。



制作の背景
元々はGoogle DevArtという、グーグル主催アートコンペ用の作品。これはGoogle商品を使ってアート作品を作るというコンペです。実は、コンペでは決勝ラウンドまでいきつつも敗退。あわや闇に消える・・・というシチュエーションに、そのまま闇プロジェクトとして消えるところでした。ところがどっこい、捨てる神あれば拾う神あり。DevArtのサイトを見ていた美術館のキュレーターの方から連絡をいただき、めでたくパリで作品展示とあいなりました。Google DevArtの話は長くなるのでまた別のエントリで。


Google DevArt用に作ったコンセプトビデオ




美術館の中で、ここだけが金切り声の大歓声。


ルーブル崩壊。


荒ぶる


バンバンと叩かれて廃墟となったシリコンバレー。


ロンドンもこのざま。

そのままのGoogleMapの衛星写真は色が汚いので、独自シェーダーで強引に品質アップ。同時に夜明けや夕焼け、夜なども追加。



技術の話
THE GIANT MAPで使った技術は以下のような感じ。

・実装はOpenFrameworksとC++
・Google Mapは、ChromiumというOSSブラウザを内部に埋め込んで取得
・物理エンジンは自前
・パーティクルエンジンは自前
・Google Mapの衛星写真は色がショボイので、シェーダーで強引に美しく。
・子供の認識は、物理スイッチ、キネクト、ウェブカムなど色々試した結果、最終的に工業用のレーザーレンジセンサに。
・レーザーセンサーが1個10万以上するので、わりと超赤字。

終わっての雑感

はじめてのアート作品、始めての設営、しかも海外・・・ということで、最初から最後までトラブルの連続でしたが、展示後の狂喜乱舞する子供達を見て「あぁ頑張った甲斐があったなぁ」と。一緒に制作したアルバイトの岩谷君にはかなり助けられました。多謝!

さらに巨大なバージョンや国内展示にも挑戦してみたいので、ご興味のある美術館がありましたらお気軽にぜひ。あるいはこういう系のお仕事のご相談も。



THE GIANT MAP
DIRECTION: Takayuki Fukatsu
DESIGN: Takayuki Fukatsu
PROGRAMMING: Takayuki Fukatsu, Akira Iwaya