小中高校の児童生徒の問題行動について、文部科学省が年に一度の調査結果を発表した。

 13年度のいじめの認知件数は18万5千件だった。なお多いが、ピークだった12年度より1万2千件減っている。12年度といえば、大津市の中学生の自殺が問題になった年だ。

 調査がいじめの統計を取り始めて30年近い。件数は社会問題化した年に急増するが、その後は減り出し、数年後、また問題になると増える。そのサイクルを繰り返してきた。

 文科省は「防止の成果で減ったと答えた自治体が多い」としつつ、「認知の意識が低くなった地域があるのも否定できない」と言う。

 「のど元過ぎれば熱さ忘れる」では困る。無料通信アプリ「LINE」などの普及で、見えにくいいじめも増えている。粘り強い取り組みが必要だ。

 件数が急増や急減を繰り返すのは、調査自体の問題も大きい。いじめは暴力行為や不登校と違い、何をいじめとするかで判断が分かれがちだからだ。

 京都府はいじめを数える方法を変えた。嫌な思いをした子どもがいるレベルを「1段階」、継続的に見る必要があるケースを「2段階」、命にかかわるなど重大な事態を「3段階」と分け、「1段階」からすべて数えた。すると件数が3倍になり、都道府県で最多になった。積極的にとらえるヒントとしたい。

 いじめ防止対策推進法が施行されて1年がたつ。文科省は、その状況も調べた。

 学校は、いじめを防ぐ基本方針をまとめ、対策の組織をつくることを義務づけられた。そのため、ほとんどの学校が方針や組織をつくり終えている。

 年度途中の施行だったこともあり、国や都道府県の基本方針を要約しただけの学校が目立つ。大切なのは、教職員の意識を高めることだ。何がいじめで、どう対応するか。現場で互いに議論し、共通の土台をつくる機会としたい。

 心配なのは市町村の自治体だ。都道府県はほとんど方針をつくったが、市町村は4割ほどで、連絡組織の設置も3割どまりだ。職員が少ない事情もあろうが、そうならなおさら、都道府県や近くの自治体との連携を考えてほしい。

 今回の調査では、小中高校生の自殺のうち、「いじめ問題」があったと学校が報告したのが6人から9人に増えた。いじめが理由ではと疑われるケースはもっと多い。いじめ問題は終わるどころか、なお深刻だ。その意識を持ち続けたい。