Updated: Tokyo  2014/10/21 09:44  |  New York  2014/10/20 20:44  |  London  2014/10/21 01:44
 

世界最高水準の石油業界人件費、ノルウェーに打撃か-原油安

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  10月20日(ブルームバーグ):原油資源によって世界で最も安定した豊かな国の1つとなったノルウェーは、原油価格下落による影響を最も大きく受ける国の1つとなりそうだ。

豊かなエネルギー資源の恵みが災いに転じてはいないとしても、石油業界の人件費は高い。このため、原油価格が下落する中、投資が抑制される恐れがある。沖合で勤務する従業員の平均年収は昨年、17万9000ドル(約1920万円)だった。

ノルウェーの国営石油会社スタトイル の最高経営責任者(CEO)だったヘルゲ・ルンド氏は8月に、1バレル当たり100ドルの原油価格水準は、かつてはシャンパンで乾杯する口実になっていたが、現在では新規プロジェクトの費用を賄うのがやっとだと語っている。

その2カ月後、原油価格は1バレル当たり85ドル近辺で推移し、ノルウェーの石油業界を10年間にわたって率いてきたルンド氏は規模のより小さい英国の競合企業へと移籍。原油価格下落は経済成長を鈍化させ税収を減少させる恐れがある。

ノルウェーでは既に、老朽化した北海油田の生産量が13年間にわたって減少しており、収入の落ち込みに伴って減少分を埋め合わせるための開発も危うくなると予想されている。

オスロを拠点とするコンサルタント会社ライスタッド・エナジーのマネジングパートナー、ジャランド・ライスタッド氏によると、スタトイル主導のプロジェクト3件は既に配当支払いのために借り入れや資産の売却が必要な状況となっており、リスクにさらされている。

同氏は、北極圏のバレンツ海で進められているキャストバーグ石油プロジェクトの損益分岐点は1バレル当たり70-80ドルで、先週の安値は危険水準に近づいていると指摘した。         

原題:World’s Best-Paid Oil Workers Expose Norway to Crude PriceCrash(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:オスロ Mikael Holter mholter2@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Will Kennedy wkennedy3@bloomberg.netKeith Gosman

更新日時: 2014/10/20 15:30 JST

 
 
 
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