Updated: Tokyo  2014/10/21 09:47  |  New York  2014/10/20 20:47  |  London  2014/10/21 01:47
 

米国債:2年債上昇、世界経済に向かい風-利上げ先送り観測

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  10月20日(ブルームバーグ):20日の米国債市場は2年債が3日ぶりに上昇。米国の経済成長が世界的な向かい風を受けて減速する可能性があるとの観測から、米金融当局が利上げを先送りするとの見方が強まった。

この日はポルトガル、スペイン、イタリアの国債利回り上昇に伴い米国債の需要が高まった。欧州中央銀行(ECB)は20日、カバード債を購入した。

ジェフリーズの政府債エコノミスト、トーマス・サイモンズ氏は、「市場は米金融当局が一段とハト派色を強めると期待している。つまり初回利上げを先送りし、償還期限の短い国債の支援材料になるだろう」と述べ、「当局は来年の第4四半期まで利上げすることはないだろう」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、2年債利回りは前営業日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.35%。同年債(表面利率0.5%、2016年9月償還)価格は1/32上げて100 9/32。10年債利回りはほぼ変わらず2.19%。

ボラティリティ指数

米国債のボラティリティを測るバンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのMOVE指数 は15日に101.28と、13カ月ぶり高水準をつけた。MOVE指数は3日続落して79.24。年初来の平均値は60.24。

イタリア債は下落。アナリスト調査によると、今週発表される経済指標で欧州経済の低迷兆候が増すと予想されている。スペイン債も値下がり。ECBがカバード債の購入をこの日開始し、最終的には国債を購入する本格的な量的緩和(QE)を実施するとの観測が高まった。

ポルトガル10年債利回りは前週末比15bp上昇して3.46%。イタリア10年債利回りは10bp上げて2.60%。同年限のスペイン国債利回りは9bp上昇し2.26%だった。

フェデラルファンド(FF)金利先物の動向によると、2015年12月までの利上げ確率は63%となっている。

フィッシャー米連邦準備制度理事会(FRB)副議長は11日、ワシントンでの講演で、「海外の経済成長が予想よりも鈍くなれば、その米国経済への影響でFRBの緩和策解除がより遅くなる公算がある」と指摘した。

10月28-29日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。

遠のく利上げ

ED&Fマン・キャピタル・マーケッツの金利部門責任者、トム・ディガロマ氏は「利上げ時期は大半の人が考えているよりも遠のくだろう」と述べ、「当局が金融政策の引き締めを急いでいるとはまったく考えられない」と続けた。

FTNの金利ストラテジスト、ジム・ボーゲル氏は「この先の展開については根本的な問題がたくさんある」と述べ、6月以降21%値下がりした原油価格に「市場参加者は驚いた」と続けた。さらに、商品相場と消費者物価指数(CPI)は「強く連動する」と指摘した。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト32人の中央値によると、労働省が22日発表する9月のCPIは前年同月比で1.6%上昇が見込まれている。

原題:U.S. 2-Year Notes Rise as Global Economic Headwinds SpurDemand(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Cordell Eddings ceddings@bloomberg.net;ニューヨーク Daniel Kruger dkruger1@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Dave Liedtka dliedtka@bloomberg.netPaul Cox, Greg Storey

更新日時: 2014/10/21 06:54 JST

 
 
 
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