「コーシャ」認証の日本酒が人気10月21日 8時33分
中東のエルサレムで日本の文化を紹介する大規模な催しが初めて開催され、ユダヤ教の戒律に基づいた食べ物の規定、「コーシャ」の認証を受けた日本酒が人気を集めました。
エルサレムでは、武道や食、それにサブカルチャーなどさまざまな日本の文化を1週間にわたって紹介する催しがエルサレム市などの主催で初めて開かれ、20日は日本から薗浦外務政務官も出席して、開会のレセプションが行われました。
会場には日本酒の試飲コーナーも設けられ、なかでもユダヤ教の戒律に基づいた食べ物の規定、「コーシャ」の認証を受けた日本酒が人気を集めていました。
認証はユダヤ教の聖職者が行いますが、原材料の調達先や製造の手順などが厳しく検査されることから、ユダヤ教徒ではない人たちにも安全な食品という認識が広がり、アメリカを中心に市場が拡大しているということです。
ユダヤ教徒の男性は「スーパーマーケットに行っても、必ず『コーシャ』認証のマークが付いているものしか買いません。この日本酒が認証を受けているということで、思わず手に取ってしまいました」と話していました。
ことし、自社のすべての製品で「コーシャ」の認証を取得したという福井県鯖江市の老舗酒造会社の代表は、「認証を受けたことで、イスラエルだけでなく、アメリカの富裕層にもアピールしていきたい」と話していました。
「コーシャ」認証とは
「コーシャ」は、ユダヤ教の戒律に基づく食べ物の規定です。
最近、イスラム教の戒律に従って食品などが製造されたことを認定する「ハラル」認証が広く知られるようになりましたが、同じように「コーシャ」の認証を受けることで販路の拡大を目指そうという動きが出ています。
「コーシャ」では、例えば肉は豚肉が禁じられているほか、肉類と乳製品を一緒に調理することも食べることも禁止されているため、敬けんなユダヤ教徒はチーズバーガーを食べません。
「コーシャ」の認証は、ラビと呼ばれるユダヤ教の聖職者が行い、規定で禁じられている食品が原材料に含まれていないかや、原材料の調達先まで厳しく検査が行われます。
JETRO=日本貿易振興機構が今年3月にまとめた報告書によりますと、「コーシャ」市場の対象はイスラエルだけでなく、世界中のユダヤ教徒およそ1400万人に加え、アメリカではユダヤ教徒ではない人にも「安心・安全な食品」というイメージが広がっており、購買層が拡大しているということです。