中国新聞社は20日付で、「韓国には中国人留学生を差別視する現象が依然として存在。偏見を取り除くのに一刻の猶予もできない」と題する記事を配信した。差別的に扱われることが、中国人留学生の嫌韓感情の大きな原因になっているという。中国人留学生のひとりは、韓国人学生が「特有の偏見」を捨て去らないかぎり、真の国際化は難しいとの考えを示した。
韓国政府が2011年に打ちだした、自国に留学生を呼び込む政策により、韓国では外国人留学生が急増。4年生大学に籍を置く外国人留学生は8万6000人になり、うち58.6%が中国人という。
一方で、韓国誌「大学の明日」によると、外国人留学生の30.9%が、「差別されたことがある」と表明。多いのは「差別的な言動に遭遇した」だが、「アルバイトで、差別的待遇をされた」もかなり多い。回答した留学生の28.3%は、「韓国人学生の多くは、留学生を避けようとする」と回答した。
韓国において、欧米から来た留学生とアジア出身の留学生は異なる扱いを受けており、韓国人学生は欧米からの留学生と交流しようとする傾向が強いという。
「韓国人学生の多くが、中国人留学生に偏見を持っており、排斥しようとする」との分析報告もあり「わずかな文化的な違いが、相互の誤解を招きやすい」状況だ。
中国から国外に出る留学生は毎年23万人程度で、うち91.6%は自費留学生だ。留学先として人気が高いのは米国、オーストラリア、英国、韓国、日本だが、韓国で学ぶ中国人留学生の「差別された」という単純な不満は、嫌韓感情に発展する。韓国メディアも、「嫌韓感情の発生を防止するには、韓国政府、大学、留学生の3者が共に、問題に取り組まねばならない」と指摘した。
韓国の大学は、外国人の留学を支援するために、生活面における指導や、無料の健康診断などを実施している。しかし、名門私立大学として知られる延世大学に学ぶ中国人留学生のひとりは「韓国人学生がその特有の偏見を捨て去ることが出来なければ、韓国の大学が本当の意味での国際化をすることは難しいだろう」と述べた。(編集担当:如月隼人)
国際
Ads