以上、レポっす! ラーメン二郎

「ニンニクいれますか?」
ラーメン二郎と食べ物関連をまとめたブログです。

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山田:麺が美味い、麺が美味いって言って、まいちゃったよってさ。で、麺をどこで仕入れたか教えろって言うんだね。それがなんか専門家らしいんだって言うんだよな。素人に混じって中華屋の親父みたいなのが来るんだってさ。それが俺もわかるって言うんだよな。ほら、中華屋の親父か、食料品の問屋の親父か。中華屋の親父っていうのがね、この麺どこで仕入れてきたって聞かれたって言うんだよな。十人ぐらいに。で、来年もやるときは頼むよって言うから、いいよとは言っておいたけどな。とりとめもないけど、そんなとこだよ。俺んちのラーメンはね。

じく:ハイ、なるほど。
山田:俺んちのラーメンは、粉はこういう粉を使って、醤油は全然塩っけを抜いて、それから麺を多くして、スープは十年来同じスープな、足し足し足しな。あと焼き豚のダブルなんて全然儲かんないよ。

じく:そうでしょうね。
山田:しょうがねーよ、学生が作っちゃったんだもん。俺んちはだいたい、ただのラーメンと大盛りと卵入りと、卵の大と、豚入りと豚の大しか無かったんだから。全部入りなんて無かったんだから。ダブルも無いし、からめも無いし、野菜も無いし、何にも無いんだよ。俺んちは。みんな、おまえ。

じく:学生がどんどん量を多くしちゃって。
山田:学生がぼんぼん作っちゃって、増しとかよ。関係ねーんだよ、俺はよ。でも、しょうがねーよ、そういうところだかな、ここはよ。

じく:じゃあ豚なんか売れば、売るほど損ですね。
山田:損だよ、損ってことはねーけどさ。まあ儲からねーよ。

じく:作る手間ばっかりかかっちゃって。
山田:だから並売ってるの一番儲かるんだよな。ただのラーメンな。ただのラーメン売れてりゃ、本当に儲かるよ。

じく:高いもんになる程・・・
山田:そう、儲からないの。

じく:儲からないんですか?
山田:儲からないよお前、五十円しか増さないんだもん。でも、昔はね三十円増しの大盛りでもね、十五円ぐらいで出来たんだよ。ほら、昔はな、俺始めたころは、都立大の頃は。だから、玉一個が十五円ぐらいで出来たから、半分売ってね三十円になれば、まあ十五円儲かったからって、それ三十円にしちゃったじゃない。それからずっと続いちゃってるからさ、今更大盛りにするからってさ、五十円増しだ、百円増しだって出来ねーじゃない。これはもう都立大のペースなんだから。

じく:なるほど、これ高くしたらまた学生が言いますよね、親父高いって。
山田:高いとかよ、汚ねーとかさ。言ったってうるせーで済んじゃうけどさ。でも体がねこういうふうになっちゃってっからさ、ガタガタ、ガタガタやってないと疲れてな。

じく:休み無しですからね。
山田:そのかわりパッパッパッって終わっちゃうじゃない、四時なら四時にさ。だからいいんだけど、お前もたないよ。

じく:体力的にすごいなって思うのは、全然休みが入らないっていうのが。
山田:かえって疲れないんだよ、休みが入んないほうが。

じく:下手に休んじゃうと疲れが出ちゃう。
山田:今はもう、体がこんなふうになっちゃったからな。ボンボン、ボンボン、ボンボン作って機械と同じだよ。

じく:ペースが出来ちゃってるんですね。
山田:そうそう、それがだから、暇でさ、一服なんてやっちゃうと疲れるんだよな。だから四時半になりゃ、ソバが残ったってさ、暇でもどうしても閉めちゃうんだよ。

じく:で、帰って麺を作るわけですか?
山田:いやいや、朝、朝6時半頃起きてな。

じく:で、麺を打って。
山田:機械で打ってな、1時間ちょっとぐらいだからな。

じく:ああ、そのくらいですか?
山田:できちゃうよ、機械だもん。

じく:こねるのも全部機械ですか?
山田:そうそう、こねるから。だから、今いい機械あるからさ、粉をこねるところに入れるじゃない。それで水を入れるだろ、それでスイッチを入れるとツーって出来てくるんだよ。だけど、俺んところは機械が古いからさ、横についてなきゃなんないじゃない。

じく:じゃあ、もし機械を変えたら味が変っちゃいますかね?材料が一緒だったら変んないですかね?
山田:わかんねーな。

じく:でも、恐いですね。
山田:でもね、ちょっとね、自動にしちゃうと、もう少し麺が柔らかくなっちゃうかもしれないな。

じく:コシが無くなっちゃう?
山田:じゃないと、こういう固めの麺だとね、ぱさぱさになっちゃうかもしれねーな。

じく:じゃあ、もしその機械が壊れたら?
山田:壊れねーよ、あんな機械。

じく:壊れませんか?
山田:ソバ作る機械なんか、もう単純な機械だもん。ただローラーで押すだけだもん。

じく:そろそろ、ここ閉めるという噂が時々流れてくるんで。
山田:あはは、閉めるって?そりゃ、立退きになっちゃうんもん。

じく:それは立退きの問題ですか?
山田:と、思うよ。当分先だと思うけどな。

じく:ラーメンって、体調とかも関係してきますか?
山田:関係ねーよ。

じく:あんまり関係ないですか?もうこれだけ、慣れというか。
山田:もう、関係ねーんだよ。

じく:もう体が機械のようになってしまう。
山田:関係ねーじゃん。あそこの醤油の割と水だけだもん。ただ、体が偉いだけだよ、二日酔いの時は。

じく:あとは、聞いたのはグルメ気取りの山本益博っていますよね。あれと喧嘩したっていう噂は本当なんですか?
山田:誰?山本益博って?顔見なきゃわからねーけど。

じく:あの良くテレビにでている。なんかあれと、これはラーメンじゃねーって喧嘩したっていう。あれは噂なんですか?単なる。
山田:うーん、知らない俺。昔じゃないの?喧嘩なんかしないよ。まずけりゃしょーがねーだろうってことになる。

じく:最近テレビにも出ますからね。
山田:うん。

じく:そのたんび、混んじゃって、混んじゃって。
山田:うん、今混んじゃってどうしようもねーよ。

じく:やっぱりもうちょっと少ないほうが。やっぱり混んでいるほうがうれしいですかね?
山田:そりゃあ、混んでるほうがうれしいだろう、おまえ。

じく:そりゃそうですけど、ここまで混むと大変ですものね。
山田:うん、ここまで混むとたいしたもんだな。やっぱな俺も思うよ、たいしたもんだと。ちょっとねーぜ、なあ、バカみてーによ、ラーメン食うのに並んでよ。

じく:たまに変りもんのおやじがいて、混んじゃうともう面倒くせーからって看板外しちゃうとか。
(注:当時初代がんこラーメンが明治通りと新目白通りの交差点に初めてできました)
山田:なんだ、それ。

じく:あるんですよ、僕の知っているラーメン屋で。もう混むのは面倒くさいからって内側から黒い画用紙を貼っちゃって、外から何やっているかさっぱりわからない。そういう混むんでお客様は締め出しちゃうっていう、そういうものもあるんですね。
山田:あはは、俺は節操ないもん。金になればいいんだもん、金になれば。節操ないからいいんだよ、金になればよ。ラーメンなんか食わなくってもいいって言うんだよ。金だけ置いていってくれればよ。昔は残すとこのやろーって、偉そうに能書き垂れたけどよ、最近はもう能書き垂れる気力もないよ。もういいんだよ、金だけ置いて帰ってくれりゃあ。願わくば食わないで帰ってくれると一番いいんだよ、割り箸あげるからさ。そういうことだよ、後は別にないよ。

じく:ずばり、儲かっていますか?
山田:え、儲かってるよ。

じく:やっぱり、混むっていうのは儲かっていますか?
山田:べらぼうな儲かり方じゃないけどな。

じく:でも、まあ労働力が大変ですからね。仕事がきついですからね。
山田:労働力に見合った儲けくらいだろう。そうだな、もう少し値上げしてもいいかもしれんな、と思うよ、俺も。

じく:でも、随分変わってませんよね、やっぱりやってて楽しいのは学生と話してる。
山田:半分それだよ、じゃなきゃ、ばかばかしくて二百五十円じゃ、やってらんないよ。
奥さん:お客さんが待ってくれてると思うじゃない。それが支えになって私たちも頑張れるのよね。そうじゃなきゃ、やっぱりさ。

山田:別に頑張っちゃいねーけどよ。
奥さん:いや、待ってくれてると思えば、張り合いがあるんじゃない。誰もいないと思えばさ。

山田:惰性の時期ですよ、惰性の。気取ってやがるからな、何がグルメだよ。ろくなもん食ってないのに、三百六十五日、毎日美味いもん食ってりゃそりゃグルメだよ、おまえな。
じく:そりゃ、そうですね。

山田:俺、笑っちゃうよ、グルメだなんてさ。あとさ、あいつじゃない?ヒゲはやしたさ、フランス料理が何とか垂れたやつ。やめてくれって言うんだよ。
じく:だからそれだって言うんですよ。山本益博っていうのは。

山田:冗談じゃないよ、おまえ。笑っちゃうよ、じゃあ俺んち来たかもしれねーぞ!
奥さん:何が?

山田:なんか、グルメの山本なんとかっていうのが、グルメの能書き垂れたやつがいんだってさ。
じく:いや、食べて文句言っていったんですかね。こんなの美味くねえとか言って。
奥さん:そりゃ、好みだからしょうがないわよね。お口に合うか、合わないかはもうその人その人の違いだもの。

山田:俺は、グルメなんか絶対信用しないよ。なーに、ろくなもん食ってないよな。
じく:そうなんですよね、それで気取ってるから本当に美味いもん美味いって言えないんですよね。

山田:そう、可哀想によ。おまえよ、本当に美味いのはよ、日本民族はよ、白菜の漬物が一番美味いんだよ。梅干しとか白菜とは。日本人は何千年間、牛なんて食ってなかったんだからね。ステーキなんて食ったってうまかないんだよ。
奥さん:珍しいから、おいしいと思うんじゃない?

山田:珍しいとこが美味いんだよ。
奥さん:でも、結局私たちは、最後はお茶漬けが一番おいしいと思うわね。しょうがないよね、日本人はそうやって受け継いできたんだからね。

山田:ラーメンだって、あれだよ。醤油だからじゃないかな?
じく:そうでしょうね。まあ、味噌ラーメンとか、塩とかありますけどね。

山田:味噌だって、おまえ、味噌汁の味噌なんだからよ、結局は。毎日毎日食ってるもんなんだからさ。
奥さん:口に慣れているもんが、一番おいしいってことよね。たいてい、私たち食事行くでしょ、子供連れて。それで今日こそ、今日こそと思うわけ。で、結局食べるもんって言ったら、食べ慣れたものしか食べられないのよね。だから、冒険心が無いからかもしれないけど、結局口に慣れたもんが一番ということじゃないかな?

山田:あと何?
じく:いや、聞きたいことはみんな聞かせて頂きました。

山田:安いだけだよ、安いだけ。
じく:わかりました、その辺で。

山田:でも安くても、やっぱりまずけりゃ来ないもんな。毎日来るんだから、不思議なもんだよな。
じく:そうなんですよ。毎日食べても飽きないんですよね。これ、不思議なんですよね、本当に。
奥さん:だからね、なんか麻薬が入ってるとかね。

じく:そう、よくそれを言うんですよ。実は裏で大麻か覚せい剤なんか育てて、こうやって入れてるんじゃないかって。
山田:いや、面白いもんで、一回食って、二回食って、三回食ったらやめられないって言うもんな。
奥さん:私は食べられない。だから、まるっきり受け付けないか、病みつきになるか、どっちかみたいね。

じく:結構最初食べてだめで、三回が目安ですね。三回食べてだめなやつは絶対だめですからね。
奥さん:食べられないね。私はこの人が食べる時に、一口二口食べたらもうそれで十分って感じ。そう言ったら悪いけどね。
山田:本当、だめなやつは絶対食わないもんな。一緒に来ても食わないって言うもんな。一緒に来てさ、付き合えよって言っても、絶対やだって言うもんな。
奥さん:でも、うちはご覧の通り入れる場所も、隠す場所もないの。

じく:食いたいやつは一時間でも、二時間でも並んで食ってますからね。
奥さん:なんか、時間が勿体ないと思って。それだったら、それだけお金出して、もっと美味しいもの食べればいいなって思うけど。
山田:だって、大阪から来るとかな。

奥さん:だって本当、海外からいらした方は、空港から直接いらしてくださるわね。ああいうのは本当うれしいね。
山田:やっぱり違うんだよな。

奥さん:二百五十円のラーメンのための何万かけてるんだか。
じく:やっぱり麻薬が入ってるんですね。
山田:本当だよ、学校来ればたいてい食うやついるもんな。並んでなけりゃ必ず食うって奴いるな。並んでっから、しょうがなくて食えないって奴いるな。

奥さん:そんなに変わった味だとは思えないけど。
じく:いや、ずいぶん変わってると思いますけど。

奥さん:あら、そう?ただ、おうどんみたいな感じでしょ?
じく:そうなんですよね。あの麺とスープの異様な組み合わせが非常に合っているんですよね。

奥さん:あらそうなの。でも、その日その日によって、少しずつ味違わない?
じく:ええ、違います。

奥さん:で、基本が同じなんだ。
じく:時々、あれ、ちょっと味違うなってことありますけど。

奥さん:だから吉祥寺の方のお店も、この人が同じように教えて、やっている筈だけど。
じく:いや、麺が違うんですね。あそこもちょっと。スープはかなり似ているんですけど。
(注:当時吉祥寺店はオープンしたばかりで、味はまだ確立されていなかった。)

奥さん:召し上がった?
じく:はい。

奥さん:ああ本当。やっぱり研究してらっしゃるだけのことあるのね。だけど、やっぱり少し違うっていうのね。何でだろう?
山田:同じように教えてな。

じく:いろいろ説はありますけどね。おやじの指の突っ込みがいいんだとか?
山田:あははは。

じく:あれでだしが出てるんだろうか?
奥さん:そうなの?でも普通お客さんに指突っ込んだの出したりするとこないわよね。

じく:やはり並んでる連中は麻薬中毒ということですね!
山田:しかし混むのはうれしいけどさ、女はあんまり来ないで欲しいなあ。麺を三分の一から二分の一ぐらいにするんだけど残すんだよな。俺も、もう節操ないからさ金だけ置いてってくれりゃいいんだけどさ。昔は文句も言ったけど、今は何も言わねえよ。節操ないからさ。女どおしだと結構食うんだけど、男がいると残すんだよな。

じく:僕も、女はあまり来て欲しくないですね。食べるの遅いですから、並んでてこっちがイライラします。あと漫画見ながらゆっくり食ってる奴がたまにいるんですよね。
山田:うちのラーメンは気合い入れて食わなきゃだめなんだよな。量が多いだろう。急いで食わなきゃ、どんどん下から湧いてくるんだ。まあ、俺も味のチェックのために週に一回食うけどさ、もう大盛りは食えねえなあ。小で十分だ。

じく:僕も小で十分です。

じく:それで面白いのが、最近高校生が多いだろう。あいつら小にするか大にするか迷うんだよな。小にしようかな?どうしょうか、まっいいか大!ってさ、大食っていくんだけど、家帰って母親に怒られるんだってさ、食べてくと。夕方これ食うと晩ご飯食べられなくなるじゃん。

じく:しかし、これだけ忙しいと学生と話すのが楽しみじゃないと、やっていけませんね。
山田:まあ、これが楽しみでやっているようなまんだな、ははは。
奥さん:そうなんですよね。やっぱりこれだけ並んでくださるのは嬉しいかぎりです。

山田:だけどこれが、一般の客が来ると疲れるだなあ。祭日なんかで連休になる時、スープを冷蔵庫に入れるのが面倒くさいんで、半日だけやることがあるんだけどさ、そうすると一般の奴が来るんだよな。ほら、普通と頼み方が違うじゃねーか。いつもの学生相手のペースじゃないとえらく疲れるんだよな。またそういうのに限って、子供連れで来てさ、またヤングママがガキと二人で一つ頼めばいいのに二つ頼んでさ、平気で残しやがるんだよな。
じく:やっぱり、学生相手が一番いいですね。

山田:まあ、金だけ置いてってくれりゃあ、いいけどな。
奥さん:まあ、昔はこんなんじゃなかったんですけどねえ。
じく:はははは、今日は面白い話をどうもありがとうございました。

山田:まあ、役に立つかわからねえけど、がんばれや!
じく:はい、ありがとうございます。

<終わり>
上記インタビューは慶応義塾大学法学部政治学科川合研究会に所属していた学生が卒業論文のために店主山田氏に直接インタビューして卒論内に収めたものをそのまま当ブログに転載したものです。

※著作権に問題がある場合はご報告下さい、削除させて頂きます。



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