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【政治】

自治体の防災訓練 オスプレイ初参加

和歌山県の津波災害対応訓練で、オスプレイから救援物資を運び出す参加者=19日、和歌山県串本町で

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 米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の新型輸送機MV22オスプレイ二機が十九日、南海トラフ巨大地震を想定した和歌山県の津波災害対応訓練に参加した。自治体主催の防災訓練に使用されるのは初。海上自衛隊の護衛艦に着艦し、自衛隊との一体化もアピールした。

 沖縄の基地負担軽減を目的とした訓練移転の本格化に向け、安全性への懸念を払拭(ふっしょく)し、住民が受け入れやすい防災訓練で実績を重ねる狙いがある。

 オスプレイは今後、各地の防災訓練に参加するとみられる。

 訓練は午前九時、和歌山県南方沖でマグニチュード8・7の地震が発生し、県内で震度5強から7の揺れを観測、津波が押し寄せたとの想定。三千人余の住民や自治体、警察、消防、自衛隊、米軍などの計約六千四百人が参加した。

 オスプレイ二機は岩国基地(山口県岩国市)を離陸し、午前九時十五分ごろに和歌山県白浜町の南紀白浜空港に飛来した。災害派遣医療チーム(DMAT)を乗せ、水や食料を積んで同県串本町潮岬の広場に搬送。広場ではけが人役の八人を搭乗させ、治療を想定して沖合の海上自衛隊護衛艦「いせ」に運んだ。

 オスプレイは八月に横田基地(東京都)で実施された米軍単独の防災訓練にも投入されている。

◆住民「温泉街飛んだ」

 和歌山県で十九日に実施された津波災害対応訓練には、多くの住民も参加し、人や物資の輸送に当たった米軍新型輸送機MV22オスプレイを注視した。けが人役を務めた県職員辻優子さん(28)は「飛行機より少し揺れたが、乗り心地は悪くなく、怖くなかった」。孫たちと物資を下ろした女性(67)は「めったにない機会。災害の時は助け合わなければ」と話した。

 南紀白浜空港に隣接する公園にはオスプレイ参加に反対する住民ら約四百人が結集。「海上ルートと言ったのに、温泉街の上を飛んできた」「基地被害が拡大し『本土の沖縄化』につながる」と怒りの声を上げた。

 潮岬で反対の横断幕を掲げた串本町の主婦末永博子さん(62)は「危険なオスプレイをなぜ日本で使用するのか。防災訓練にかこつけて飛ばしているだけだ」と憤った。

 

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