『著作権侵害だ!』なんて議論が度々おこるブログ業界。しかし、実際に著作権侵害ってどこからが侵害で、どこまでがOKなのかってみなさん、なかなかわかっていませんよね。
そこで今回はブログを運営する上で知っておきたい著作権侵害…と題して、著作権についてちょっと書いてみたいと思います。私は法律の専門家ではありませんが、過去15年にわたりインターネット上にコンテンツを供給してきた人間なので、その経験をお伝えさせていただければ幸いです*1。
著作権侵害についてのまとめ:
まずはいきなりですが、この画像が凄くわかりやすいので、@ITさんから引用させていただきます(こちらから引用)。
事実そのものやデータそのものは「思想や感情を創作的に表現」したとはいえないので著作物ではありません。例えば、市場調査データなど収集に相当の労力が伴うデータもありますが、それを盗用されたとしても著作権法に基づいて訴えることはできません。
データやアイデアには著作権がない:
もうね、これが全てだと個人的には思ってます。データやアイデアそのものには著作権はないので、それらを他サイトから拝借した場合でも、基本的には著作権侵害にはなりません。
例えば『日本の人口は1億3000万人です』なんてデータを調べるには、たぶん、国が何百人という人数とお金をかける必要性がありますよね。しかしそれ自体には著作権は存在しないので、いくらでもこうして記事の中のコンテンツとして紹介することが出来ます。引用元の表記なども不要です。
他にもこんなものだってブログに自由に書けます(調べた人はきっと苦労されたはずです)。
- 肉食の男性は胃がんになりやすい
- バドミントンのスマッシュは、ボールを投げるように振り下ろす
- 王貞治のホームラン記録は55本である
これについて@ITわかりやすい記載があるので、こちらも引用させてもらいます。
アイデアそのものは著作物ではありません(そのアイデアに基づいた特定の表現は著作物になります)。例えば、「謎の組織によって体を小さくされた高校生が探偵として難事件を解決する」という設定(アイデア)に基づいて独自ストーリーの小説を書いても著作権侵害に問われることはありません(業界の仁義に反するという話は別です)。
ブログであれば誰かのブログ記事を読んで、それを参考にして記事を書くことはなんら問題がないのです(料理のレシピにも著作権がないので、他人の料理を真似することはOK)。
画像や音楽には著作権アリ:
但し、画像や音楽には著作権があるので、誰かが作った制作物をかってに取るのは著作権侵害です。また、文章そのものには著作権が存在するので、コピーアンドペーストで文章を盗むのも立派な著作権侵害になります。ご注意ください。
あくまで私が言っている『アイデアは著作権侵害にならない』というのは、誰かの思いついた記事内容を参考にさせてもらうことは、著作権侵害ではないということですね。
私の過去の経験談:
私の過去の経験談をここで少し。
昔、とある企業のコンテンツサイトを作っていたのですが、これが手前味噌ながら非常に出来が良すぎて、ライバル他社にまるごとコンテンツを盗まれてしまったことがあります。
そこで弁護士に『著作権侵害で訴えたい!』と相談しにいったのですが、回答は☓。それはなぜかというと、下記の通りだったためです。
- 構成するコンテンツの内容が一緒でも、そのコンテンツをその企業はリライトしているため、著作物の侵害ではない。サイトそのものに独自アイデアがあれば問題ないのだが、誰でも知りうる情報をまとめているだけに過ぎないサイトなので、著作権の侵害を主張することは出来ないだろう。
- 仮に著作権の侵害が認められたとしても、実損がどのくらい出たかを証明するのが難しい。
結果、泣く泣く訴訟を諦めたことがあります(ライバルサイトには結局、類似サイトを運営されつづけてしまいました)。
ブログコンテンツを盗まれたことも多々:
ブログコンテンツを盗まれることも多々です。さすがに全文コピペされるケースでは文句もいいますが、文章をきちんとリライトされているケースに関しては、著作権侵害を主張できないと思っているので特になにも言いません。私も逆に、誰かのアイデアを頂いて記事にすることも多いからです。
この前書いた、ドンキホーテではクレジットカード払いでギフトカードが買える…という記事だって、書籍からアイデアをもらっています。では著作権侵害か?といえば、これも違いますよね。
丸パクリはダメ、アイデアは人から人へ動く:
結論。ブログを運営する上で著作権侵害をしないようにするためには、丸パクリをダメです。語尾をちょっと変えるだけのリライトももちろんダメ。
しかし、アイデア自体は他サイトを参考にしてもOKなので、面白い内容があればどんどん参考にしてOKです。その際、心苦しいのであれば参照サイトとして書いてあげれば尚良しですね。
以上、ブログを運営する上で知っておきたい、著作権侵害について…でした。
*1:あくまで今回の内容はブログを書くということについてです。小説を書いたり、映画を作ったりする場合にはこの限りではないと思うので、そちらを抜いた話でお願いします(…という予防線)。