
泉正人
- お金,モチベーション,起業 08:00 PM
やる? やらない? ビジネスで最も大切な「判断力」と「実行力」を鍛える4つのトレーニング:人生を変えるお金の教室(2)
あるビジネスをやりたいと思っていて、ビジネスモデルも具体的に考えられているけれど、お金を失うのが怖くて実行できないという話を聞くことがあります。
僕は、「起業したい」という若い人からどんなビジネスを考えているのかを具体的に聞くのが好きなのですが、ビジネスモデルとしてしっかりしていることがとても多いのです。そこで「サラリーマンをやめて、そのビジネスをやっても面白いんじゃないですか?」と賛成すると、「いえ、やっぱり失敗するリスクが怖いです。開業資金分の貯蓄はあるんですが、成功するかどうかわからないものにお金をかけられないです」と返答されることが多いのです。
お金を失うことだけがリスクなら、もったいないなというのが正直な感想です。
*この記事は、受講生29万人を超える日本最大級の独立系ファイナンシャル教育機関「ファイナンシャルアカデミー」代表の泉正人さんに、"実行力"をテーマに寄稿いただいたものです。
最も大きなリスクは経験値が上がらないリスク
もしも、あなたの年齢が30代であれば、おそらく残りの就業可能期間は30年程あるので、ビジネスでお金を失ったらまた働いて稼げばいいと僕は考えます。そして、手元のお金を失うリスクだけを考えて、チャレンジしないのは、別のリスクを冒しているとも僕は考えます。
別のリスクとは経験値が上がらないリスクです。
結局のところ、お金を扱う能力は、扱う経験を増やすことでしか向上できません。たとえば、シリコンバレー等ベンチャー企業が多いところでは、ビジネスを失敗した起業家が、しばらくした後に、投資家を募ってまた新たなベンチャーを立ち上げていた、という話をよく耳にします。
「会社を失敗させた人に会社を任せるなんて、どうしてだろう」と思いませんか? 実は、会社を一度失敗させた経験を持っているというのは、そのベンチャーに投資をする投資家側の視点から考えるとすごく合点がいく話なんです。
今まで全く大きなお金を扱った経験のない人と、失敗はしたけれど扱った経験のある人がいるとしたら、経験のある人への出資を選ぶ投資家のほうが多いはずです。経営で使うお金というのは、節約しすぎてもダメだし、大胆すぎてもダメ。いいバランスを取らないとうまくいきません。それをうまくやるためには大きなお金を扱った経験が必要不可欠なのです。
僕は、ビジネスで最も大切な能力は、判断力ではないかと思います。
学校教育の中では知識がもっとも重要な能力とされていました。そのため、たくさんの量を記憶し、テストに合格していくということが求められます。ですが、社会に出たらそれは異なります。知識と経験は書籍などから手に入れることができます。ですが、その知識と経験だけでビジネスを成功に導くことはできません。確実に「実行」というアクションが必要なのです。その実行を正しいものにするためには正しい「判断」が必要です。つまり、知識と経験を得た上で、それを正しく判断し、実行に移していく。その判断力にはもともとのセンスもあるでしょうが、それよりも影響が大きいのが経験なのです。
一瞬で数千万円を投資する決断ができる能力
世の中には、投資家といわれる人たちがいます。金融商品や人にお金を預けて、運用してもらい、その利益の一部を自分の取り分として受け取る。
その話だけ聞くと、「なんて気楽な人たちなんだろう」と思うかもしれませんが、数千万円から数億円のお金を株や債券、商品、不動産などのリスク性商品や他人に預けるということは、すごくストレスのかかることです。そして、預けることまではできても、そこから利益をあげてもらって、自分の取り分を確保することは、簡単なことではありません。
株でも不動産でも、起業家への投資でも、正しい判断力がない限り、一時的に運良く利益を得られたとしても、継続的に利益を得ることは不可能なのです。
継続的に利益を得ていくためには、知識を学び、経験を積み重ね、失敗から学び、判断力を高め、実行に移していく、という流れが必要です。どこが欠けてもうまくいきません。すべてを実行していくことが必要です。お金が失うのが怖いと思って判断や実行することを躊躇していたら、どれだけ知識があっても結果は出ないのです。
つまり「実行力」がないと経験値は高まりませんし、結果も出ません。そして、実行しないといことは「行動しないという判断」をしたこととなり、「その判断」がお金を得るチャンスやビジネスの成功のチャンスを奪い取っているのです。
もしもあなたがこれから判断力と実行力を身につけたいのなら、以下の4つのことを念頭において行動することをおすすめします。
・知識を身につける
何よりも大切なことが、正しい情報を手に入れること。自分のモノサシでアレコレ考えるよりも、情報は世の中に出回っていますので、それを学び知識とすることが大切です。
・小さくトライして経験を積む
元金を失うリスクが怖いなら、小さなトライからしてみる。自分がやってみたいことを考えて、それを最小限の規模でやる方法はないかを探してみましょう。
・数字を大切にする
具体的な数字をあてはめて、考えてみる。初期費用は? ランニングコストは? 売り上げをあげるために必要なコストを考えれば、一歩前に進むために必要なことが整理できます。
・日々の判断トレーニングを行う
将来が確実に見えているビジネスというものは、この世にほとんど存在していません。いくら最初に緻密に計画しても、多くは、日々の判断の良し悪しで方向性が変わっていきます。その判断力を正しくするためには、「判断」という行為を繰り返しトレーニングしていくしかありません。判断しないことは、「判断しないという判断」と同じで、そのスキル高まることはありません。たとえば旅行のプランをツアーではなく自分で行う、ということなど小さなことから判断する習慣を身につけていきましょう。
文・泉正人|ファイナンシャルアカデミー代表
金融経済教育の必要性を感じ、2002年ファイナンシャルアカデミーを設立。東京・大阪・ニューヨークで、受講生29万人を超える独立系ファイナンシャル教育機関として、経済、会計、財務、経済新聞の読み方、マネープラン等から、株式投資、不動産投資等まで、幅広い「経済とお金の教養が身につくマネースクール」を運営する。
Photo by Shutterstock.
- お金に困らない人生設計のための泉正人のお金手帳 2015
- 泉正人ディスカヴァー・トゥエンティワン
