毎日新しいニュースが入り、世界中の関心を集めているエボラ出血熱。
今年の3月頃に発生し、拡大し続けていますが、現在まで9,000人以上が感染し、約4,500人以上もの人が亡くなっています。
アメリカでは1人が死亡し、2人の感染が確認され、ヨーロッパでも感染が疑われる人が続々と出てきていますね。
つい最近まで、エボラ感染はアフリカだけのものだったのに、すでに世界規模の問題となりつつあります。
病気や健康というものは、世界中の環境やらで関わりあってくるものですが、
はたしてエボラはこのままその勢いを地球上に広めていくのでしょうか?
それとも、医療の力で徐々に収まっていくのでしょうか?
今回はこの殺人ウイルスについて知っておくべき10のことを紹介します。
10. ザイール株
ザイール株はエボラウイルスの模式となるウイルスです。
感染してからのスピードが早く、死に至るまでの時間が短いので、非常に致死率の高いウイルスとして知られています。
エボラは他にもブンディブギョウイルス、スーダンウイルス、レストンウイルス、コートジボワール(タイフォレスト)ウイルスの、4種のウイルスを含んでいます。
9. 経済的な影響
西アフリカのエボラによる死者が急増する中、ウイルスはギニア、リベリア、シエラレオネの経済にも壊滅的な影響を及ぼしています。
シエラレオネ農業大臣の発表によると、国は今回のエボラ感染によって30%の経済収縮を余儀なくされました。
特に農業部門では大きな打撃を受け、ウイルス拡散阻止のための有人バリケードが、商品の供給や人口の66%を占める農民の活動を妨げています。
8. 発症統計
エボラの流行は過去にも何度か発生しましたが、2014年以前まで、エボラ感染による死者は280人ほどでした。
ですが、今回の流行ではすでに4,500人以上もの人が亡くなっています。
その中には少なくとも200人以上の医療従事者がいます。
世界保健機構の発表によると、ギニア、リベリア、シエラレオネは西アフリカで最も影響を受けた国で、
エボラウイルスを持つ人の70%が死に至っています。
エボラウイルスのもっとも恐るべき点は、発症してからの致死率の高さなのです。
7. 感染第一号
今回の流行はギニア南部、森林地帯にある村の村人がエボラ感染第一号と言われています。
鉱業がギニアの森林地域で活発になり、アングロオーストラリアの鉱業グループ、リオ・ティントが一帯の資源を開拓しました。
この見境のない採鉱と伐採がエボラウイルスの自然宿主とされるフルーツコウモリの生息地を奪い、人里に降りてきた事が、今回のエボラ流行の原因ではないかという説があります。
やはり、どんな病気や災害も人間の行動から発生し、人間に返ってくるものなのでしょうか……
6. 潜伏期間
エボラは発症してから死に至るまでのスピードがとても早いことが知られています。
と先にも言いましたが、エボラウイルスは大抵10日間から3週間の間、体内に潜伏しています。
そして、その潜伏期間は感染者が何の症状も示さずに、生活し、はたまた飛行機や電車にのって旅行し、ウイルスを拡散するのに充分な長さです。
しかも、実際に発症するまで、血液中のウイルスは検出することができず、たとえ潜伏期間中にテストをしても感染を判断することが出来ません。
その間に感染者と接触したことを忘れてしまい、危機感は薄れていきます。
この潜伏期間の長さが、感染の拡大の手助けをしているのですね。
5,病気の特定
今回のエボラ感染がこれほどまでに制御不能になってしまった原因の1つとして、医療従事者たちがコレラやラッサ熱などの同様の症状を持つ病気と間違えてしまった、ということがあげられます。
世界中から集まった医療従事者たちは、現場にいながらも自分たちが何の病気と戦っているのか把握できていなかったようです。
エボラの最終段階として、目、鼻、耳、肛門、乳首など、ありとあらゆる穴からの出血がありますが、これは西アフリカで日常的に発生しているコレラやアラリアなどのそれとよく似ています。
しかも映画のように、全員に同じ症状が現れるわけではありません。
最初にエボラの疑いを持ち始めた人物は、ブリュッセルの疫学者、ジョフリー・E・スターンでした。
彼は感染者の半分以上がしゃっくりをしていたことから、エボラに辿り着きました。
理由は明らかではありませんが、しゃっくりは確かにエボラの症状の1つです。
医学界はエボラウイルスを特定するのに、3ヶ月半もかかったのでした。
世界保健機関(WHO)も今回のエボラ感染の初動対策の誤りを認めています。
世界保健機関(WHO)は、エボラ出血熱対策について「関与したほぼ全員が、(流行拡大の)簡単な予兆を見誤った」などと指摘、無能な職員や官僚的な組織体質から初動に失敗、感染拡大を食い止められなかったと猛省する内部文書をまとめた。米AP通信が18日までに報じた。
APによると文書は、医療システムが機能していない西アフリカのような地域では、伝統的な感染症の封じ込め対策は通用しないことをWHOの専門家は当初から認識すべきだったと指摘。
4. 恐怖と誤報
エボラ流行当初、アフリカでは多くの人々がそれを真実だと信じていませんでした。
『フラニ民族の長老候補の1人が、選挙を遅らせるためにウイルスを作り出した』だとか、
『これはペストで、7頭の牛を生贄にすればおさまる』だとか、
信じられないような情報がウイルスと共に広まりました。
ギニアでは、ウイルスは外国人によって持ち込まれたものだと信じられてきましたが、白人が見るにも恐ろしい隔離施設を作り始めた事によって、その思いは強まり、現地の人々は恐怖心から感染を名乗り出ることを止めてしまいました。
そして、患者が減ったことで医師たちは、エボラを制圧したと勘違いしてしまうのです。
日本人にはありえないような迷信や考えが強く信じられるなんて、アフリカでの医療に対する信頼の低さに驚いてしまいますね。
3. 各国での感染
アメリカでは、初のエボラによる死亡に始まり、治療に関わった看護師2名の感染、スペインでも看護師の感染が確認され、その恐怖は世界中に広まっています。
また実際、『感染の可能性』や『感染の疑い』の報告はさらに増え続けていくかのように思われれます。
しかし、それはあくまで可能性です。
検査や潜伏期間が終わるまで、うわさや心配の域を超えることはありません。
アメリカには100人以上もの感染の『可能性』があるそうです。
2. 空港での感染対策
アメリカの5つの空港では、体温測定と質疑応答の検査を実施しています。
検査に引っかかってしまった人は、さらに診察を受け、検査を拒否した人は3週間隔離されます。
イギリスでも同じような検査の実施が予定されています。
日本では、検疫所のホームページやポスターなどで、注意喚起を行っていますが、このような実質的な水際対策は行われていません。
日本の場合は欧米諸国と違い、アフリカから来る人々が圧倒的に少ないという理由もありますが。
1. エボラワクチンの予算削減
この4年間で国立衛生研究所(NIH)の資金は、12億ドル削減されており、最前線で治療にあたる医師たちをサポートするCDCプログラムの資金は16%削減されました。
実際、エボラワクチンの研究は予算が削減されるまで、軌道にのっていたそうです。
NIHの研究員は、『もし、この10年間、生物医学研究へのサポートが充分であったなら、研究は1,2年も先に進んでおり、エボラワクチンはすでに何千人もの人のところへ届けられたかもしれない』と語っています。
1976年6月にスーダンで初めてエボラウイルスが確認されて以降、
エボラ出血熱はアフリカ大陸で10回程度、突発的に発生・流行を繰り返してきました。
悲しいことですが、今までは、エボラ感染はアフリカの貧困国などで小規模で単発的に発生し、収束だったので、欧米の先進国諸国はそこまでエボラに対して、重大性や、危機感を持っていませんでした。
アフリカの一部の貧困国で小規模で単発的に発生するウイルスに対するワクチンを国家や製薬会社が何千億以上も費やして、開発しても全く利益にならないからです。
ですが、今回のエボラ感染はとうとう欧米の先進国で発生し、対岸の火事ではなくなりました。
皮肉な話ですが、これからは先進国や巨大な製薬会社などが本気になってワクチン開発に乗り出すでしょう。
パンデミック(世界流行)になる前に、エボラワクチン開発やエボラ出血熱が収束に向かうよう願うばかりです。
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