図6 「手に取り、身に着けてもらえる」プロモーションツールとして名刺を活用してきた。2013年の名刺は、くまモンが熊本県の美しい風景とともに写っている写真を採用。くまモンの知名度が向上してきたことに伴い、くまモンを熊本県のPRに積極的に活用していこうとしている。なお、2011年版の名刺は32種類。2012年版、2013年版の名刺も、この写真以外に多数ある
くまモンが登場するイベントでも、くまモンと見物客との距離感を縮めるためにはどうすべきかを考えて、紙製の帽子を作成して配布。人々が身に着けて「くまモン体操」を踊ることで、会場全体の一体感を醸成することに成功した。
知事だけが持ち、配ることができる希少な「金のくまモンピンバッジ」といった限定アイテムの存在は、くまモンのブランド価値をさらに高める。ただ漠然とツールを作るのではなく、1つひとつのグッズに明確な目的を持たせて制作することで、キャラクターの確実な価値向上に努めている。
地域の活性化や企業ブランド向上のために独自のキャラクターを生み出し活用しようとした場合、まずはそのキャラクターをきちんと育て、多くの人に知ってもらわなければならない。多くの人に愛されそうな姿や振る舞いか、あらゆる場面で使い勝手が良さそうか、そしてどのように育てていくのか。もはや“ゆるい”だけではいられない。キャラクターで稼ぐための戦略的なコミュニケーションデザインが求められている。
(日経デザイン 丸尾弘志)
[日経デザイン2013年5月号の記事を基に再構成]
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