「Advanced/W-ZERO3[es]」(以下、Advenced[es])のDCコネクタは、3端子の5角形タイプになった。コンパクトデジカメなどで似たような形状のDC端子があるが、携帯電話として互換性が高いわけではなさそうだ。
そのため、従来のW-ZERO3シリーズ用の各種充電ケーブルやACアダプタは流用できなくなった。
代わりにUSB経由の簡易充電が可能になった。Advenced[es]では「USB給電」と表記しており、USBケーブルでPCと接続して通信機能が有効にならないと給電されない。USB充電用のACアダプタや外付けバッテリーを接続しても、USB給電は行われないようだ。
また“USB給電”という表記のため、内蔵バッテリーに“充電”されるのか不安だったが、充電は問題なく行われるようだ。バッテリーゲージが70%程度の状態でPCとUSBケーブルで接続したところ、1時間程度でバッテリーゲージが100%に達した。
ティーザー広告にも登場していた新機能のXcrawlは、円状になぞることでスクロール操作が行える。十字キーとして4方向の入力が可能で、対応アプリでは8方向入力に利用できる。スクロール操作時の感度は、3段階に設定可能だ。
使い勝手に関してだが、Xcrawlの径が小さいという物理的な問題もあり、慣れは必要だ。片手で持って親指で操作する場合、スクロールするつもりでも十字キー操作になってしまう場合がある。
また、Webページをスクロールするような大雑把な操作には便利だが、アドレス帳の選択など、項目を1つ1つ選択する場合は十字キー操作の方が楽だ。ページ単位でのスクロールに向くもので、十字キー操作に替わるものではない。iPodのような操作性は期待しない方が良いだろう。
従来のW-ZERO3シリーズは、手持ちのMP3ファイルを着信音に設定できるなど自由度が高かった。残念ながら、Advenced[es]ではMP3やWMAを着信音に設定できなくなった。設定しようとしても、着信音設定のファイル選択ウインドウからMP3やWMAファイルを選択できず、ファイルを指定できない。
Advenced[es]のCPUは「W-ZERO3[es]」と同じPXA270を搭載する。動作クロックが416MHzから520MHzに高められたほか、プログラム実行用のメモリが64Mバイトから128Mバイトに倍増した。このため、W-ZERO3[es]では遅かった「Opera Mobile」の起動も、目に見えて高速になった。
なお、Advenced[es]が標準ブラウザとして搭載するOperaブラウザは、最新版の「Opera Mobile 8.7」だ。
※今回の検証および確認はあくまでも開発段階の試作機によるものなので、製品版では仕様が変わる可能性もあることをご了承いただきたい。
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