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富士山「門前町づくり」要望 商工4団体、知事と懇談 山梨

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富士山「門前町づくり」要望 商工4団体、知事と懇談 山梨

 横内正明知事と中小企業団体中央会など商工4団体の懇談会が15日、甲府市内で開かれた。安倍晋三政権の経済政策が県内の中小・小規模企業に効果が見えず、4団体からは県独自政策として優秀な人材確保への支援や、小規模企業振興基本法に基づく県の中小・小規模企業振興基本条例制定のほか、地域経済活性化に世界文化遺産「富士山」の構成資産「北口本宮冨士浅間神社」(富士吉田市)周辺の「門前町づくり」などに関する要望が提出された。

 中小企業団体中央会の内藤悦次会長は「中小・小規模企業は流通、雇用など地域経済を支えているが、経済環境の変化に大胆な対応を取ることが難しい」とし、商工4団体の共通要望で小規模企業の経営力強化に県の助成政策強化を要望した。内藤会長は県人口減少傾向が強まる中で、優秀な人材の定着が小規模企業の経営力安定を招き、処遇改善に効果があるとして、人材確保に支援策を求めた。

 商工会連合会の小林寛樹会長は「6月に成立した小規模企業振興基本法は成長志向の小規模企業の支援と安定的な雇用を含む支援が明記された」とし、これを補完するうえで県の責務を踏まえた「中小・小規模企業振興基本条例」の制定が必要とした。甲府商工会議所の金丸康信会頭は経済環境の整備の一つとして中央自動車道「小仏トンネル」付近の日常的な渋滞について、「時間距離の短縮という最大のメリットが失われる」と話し、車線増の早期実現を国に働き掛けるよう要望した。

 富士吉田商工会議所の堀内光一郎会頭は富士山の通年観光に「富士山登山鉄道」の検討を求めた。入山者をコントロールでき、環境への負荷を低減できるとした。また富士山の文化的価値を高めるため北口本宮冨士浅間神社と富士吉田市上吉田の「金鳥居」を結ぶエリアを門前町に整備することで地域振興を推進できるとした。

 横内知事は「人材育成(確保策)に必要な予算を来年度予算に反映させたい」「県内小規模企業が減少傾向にあり、企業振興に条例制定を検討したい」「登山鉄道は大事な課題だ」など、4団体の要望事項に前向きな姿勢を示した。