豪快に復活、美しくポーズをとる人母美=後楽園ホールで(竹下陽二撮影)
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◇女子ボクシングスーパーフライ級 6回戦
▽15日▽東京・後楽園ホール▽東京中日スポーツ後援▽観衆1220人
モデルボクサーの高野人母美(27)=協栄=がドークマイパ・ソーデイトン(26)=タイ=に4回1分59秒、TKO勝ち。6月の初黒星から豪快によみがえり、通算6勝1敗となった。
一方的だった。高野が4回、26歳のタイ人をめった打ち。残酷ショーになる寸前でレフェリーが止めに入った。相手はプロ7勝2敗とはいえ、前日計量では高野より2キロ軽かった。この差は大きかった。だが、高野は神妙な面持ちだった。「不安でした。負けたらどうしよう、そればかり考えていた。プレッシャーに押しつぶされそうでした。打ちたいのに打てない。メンタルの弱さを感じた」
6月24日、同じ日本人で東洋1位のカイ・ジョンソンと対戦、スタミナ切れで5回TKO負け。勝てば世界挑戦に近づくはずだったが、逆に引退まで取りざたされた。格下相手に連敗すれば、今度こそ進退を問われるところだった。
前日計量では、映画アバターのコスプレで度肝を抜いたが、実は鼻にヒアルロンサン液を注入するプチ整形を施して臨むつもりだった。所属する芸能事務所が許可しなかったため実現はしなかったが、いかなる時でもファンを喜ばせようとするプロ意識とサービス精神は見上げたものだ。
次戦について金平会長は「年内にジョンソンとの再戦を組みたい」と言ったのに対し、高野は「占い師に今年は運気が悪い、そういう時期は動かない方がいい、と言われている。リベンジは来年で」。高野劇場は、まだまだ続く。 (竹下陽二)
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