リップルライト:通信でLEDを制御 リストバンドで音楽ライブ

2014年10月19日

多様な演出が可能なLEDリストバンド「リップルライト」(右)と、操作用タブレット
多様な演出が可能なLEDリストバンド「リップルライト」(右)と、操作用タブレット
リップルライトの会場でのテスト
リップルライトの会場でのテスト

 新しい通信技術を使ってLED(発光ダイオード)の発光色や点滅を制御するリストバンド「リップルライト(R)」を、ジーワン(大阪市北区、森啓悟社長)が開発した。音楽イベントで利用が始まっているが、この通信技術の用途は幅広く、例えば災害時に人命救助の信号を発信したり、身に着けるウエアラブル端末同士の通信などへの活用が期待されている。

 リップルライトは、同社などが開発した通信プロトコル(手順)で制御され、最初に電波を受け取った端末が、付近の端末全てにデータ送信を隅々まで繰り返し送る。リップルライトを波紋のように光らせたり、徐々に色を変えていくなどができる。操作はパソコンやタブレットなどで可能だ。従来の通信方式では、全ての端末に向けて強い電波で制御していたため、壁に反響して誤作動するなどの問題があった。

 リップルライトは今年初めに米国のラスベガスで開かれた世界最大の家電ショー「CES」に出展し、好評を博した。以後、ライブコンサートなどで採用され、音楽に合わせてリストバンドを効果的に光らせ、会場の一体感を生み出している。

 この通信プロトコルで利用すれば、端末同士のデータ授受の際に受け取った順番でIDを割り付ける事もでき、将来的には端末単位で制御も可能になるという。リストバンドを光らせるだけでなく、イベント会場で文字や映像を映し出すなど、多様な演出も実現できそうだ。

 同社の中川利治専務は「当社の通信技術で物をつなげ、人をつなげ、そして世界をつなげていきたい」と話している。【高橋望】

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