今年のノーベル物理学賞で赤崎勇名誉教授と天野浩教授の受賞が決まり、名古屋大学に在籍した研究者からのノーベル賞受賞者は計6人となった。旧7帝大の中で最後に誕生しながら、自然科学系のノーベル賞では京都大学、東京大学に次ぐ実力を見せつける。全国的な知名度は今ひとつだったが、地元では「時代は名大だがね」と活気づく。なぜ今、名大なのか。
■自然科学系受賞者 今世紀に限れば半分以上
名古屋市の名大東山キャンパスに建つ赤崎記念研究館にはスウェーデン王立科学アカデミーの発表を受けて赤崎、天野両博士のノーベル賞受賞を祝う垂れ幕がかかる。1階は青色発光ダイオード(LED)を開発した赤崎名誉教授の歩みを紹介するミニギャラリーだ。
再現された当時の実験装置やビデオを見ていた会社員は「世界的な成果がここで生まれたのかと思うと、仕事の励みになる」と感慨深げな様子だった。
同キャンパスには2008年の物理学賞を授賞した小林誠、益川敏英両特別教授と、同年の化学賞を受賞した下村脩特別教授を記念した展示室もある。01年の化学賞を受賞した野依良治・理化学研究所理事長の名を冠した野依記念物質科学研究館と合わせ、ゆかりの施設が3つも集中する。
自然科学分野のノーベル賞を受賞した日本人は米国籍の南部陽一郎、中村修二両博士を除き今年で17人に。今世紀に入ってからの受賞者に限れば、11人中6人が名大を卒業したか在籍した研究者で、半分以上を占める。
■若い教授陣と学生が同じ目線で研究
中部地区を代表する総合大学だが、首都圏や近畿圏で知名度は高くない。東海4県が出身者の8割近くを占めるからだ。東京で「めいだい」といえば明治大学を指すほど。名大の研究から輝かしい業績がなぜ立て続けに出てくるのか、不思議に感じる人は多い。
益川特別教授は「若い教授陣と学生が同じ目線で一緒に研究する自由闊達さにあふれていた」と振り返る。指導教官は、湯川秀樹博士の弟子で京大出身の坂田昌一教授。流行に惑わされず本質を突き詰めようとする意気が高く、やがて世界が認める理論を先んじて打ち出し、名大の伝統になっていったとみる。
名古屋大学、ノーベル賞
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