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 北陸新幹線上越妙高駅西側に移転する新潟県上越市大和2丁目のJR信越線脇野田駅が18日、現駅舎での最後の営業を迎えた。90年余りの歴史に幕を閉じる駅を見ようと、市内外から多くの人が訪れ、別れを惜しんだ。

 1921(大正10)年に開業した脇野田駅は、1日平均の乗車人員が昨年度139人と小さな駅だが、この日は入場券だけでも夕方までに200枚以上売れた。訪れた人たちは、大正時代から残る駅舎を撮影したり、ホームで列車の写真を撮ったりしていた。

 近くに住む栃沢勇さん(70)は「蒸気機関車の時代から利用している。大正の匂いが残る駅がなくなるのは寂しい」。山梨県から来た男性(25)は「残ってほしかった」と話した。

 駅は120メートル離れた上越妙高駅西側に移設され、19日から新駅舎での営業を始める。現駅舎は11月中旬ごろに取り壊される予定だ。(上嶋紀雄)