みなさんこんにちは!透明水彩ノートlightの第一弾は『円を斜めから見たら”正楕円”』についてやってみたいと思います。
絵を描いていると、楕円を描くシチュエーションに多々出くわしますが、このことはパースが本職のプロの方でも勘違いしていることがあると耳にし…。
検証したところ、私自身も『わかったつもり』であったことが判明Σヾ( ̄0 ̄;ノ。
※ わたくし、主婦なのですが、お昼ご飯の準備前に食卓で検証したことですので精密性を欠くことはお許しください(´・ω・`)。
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では、順を追って説明しますと…
↓ 円を斜めから見た図を描いてみました。『正楕円』です。
『正楕円』とはここでは『長軸の半径同志は同じ長さになるし、短軸の半径同志も同じ長さになる…要は同じ直径の半径同志が同じ長さになる楕円。』と考えています。
ちなみに正楕円の『長軸』とは中心から左右に走る線、同じく『短軸』とは中心から垂直に走る線を指しています。
↓ 上の図で描いた円を真上から見たのが下の図です…。
まずは、ここで「あれっ?おかしい!」と思う方と、「そうだけど、何か?」と思う方に分かれると思います。
↓ さて、私は嘘をついているのでしょうか?一旦、色を消して検証開始です。
↓ 一番外側の出っ張っているところに垂直線を引いてみました。
↓ そして思いっきり斜めから見てみました。垂直線にパース遠近法がかかり、斜めに歪みましたね。
↓ このアングルで一番外側の出っ張っているところに垂直線を引いてみました。(すっごい調整が難しかったのでチョイと歪んでいますがお許しください
↓ 再び真上から見たアングルに戻すと、今度は今引いた垂直線が斜めになっていますね。
↓ よって斜めから見た場合、『下の赤色のエリア』が『正楕円の下半円』、『上の青色のエリア』が『正楕円の上半円』として目に飛び込んでくることがわかります。
…えっ?頭が混乱してきましたか?
↓ 色を付けた状態でもう一度斜めのアングル(パース遠近法がかかったアングル)で見てみます。
↓ 画面上に線を引いてわかりやすくしてみました。皆さんもパソコン画面に定規を当てて測ってみてください。えっ?スマホだって
青色の線が本当のこの円の中心線です。そして、左側の黄色の点が本当のこの円の”中心点”、右側の黄色の点が本当のこの円の”一番出っ張っているところ”です。
不思議と、真上から見たら一番出っ張ってはいない手前の円弧に、このアングルでは一番出っ張っている橙色の点が存在します。
そしてその橙色の点は”正楕円の長軸の起点”となり、それにより2分される短軸の半径同志は同じ長さになっているのがわかります。
↓ クドく、もう一度真上から見てみましょう。黄色の点と橙色の点が左右入れ代わりましたね。垂直線も斜めになったり垂直になったり入れ代わります。不思議です。
↓ この円柱形の水筒で応用しますと…(埃っぽくってスミマセン。)
↓ こうやって見た時に『円柱の半分が見えているものだ』と思っていませんでしたか?ちなみに、私はそう思っていました。
↓ 水筒の一番出っ張っているところを…
↓ 真横から見てみると、黄色の縦線になります。しかし、右側から見ている人は若干手前の赤の縦線より左側は見えていない…死角になっているのです。
↓ こんな彫刻になるともっと複雑になり…
↓ ”輪郭線”というものは3次元の世界ではハッキリと存在しないことは『塾長』さんがブログで何度か解説されています。以下の赤点はイメージです。これでも揃いすぎてると思う。
↓ 『”一番出っ張ったところ”がそれぞれの高さの層でバラバラだから。』なのではなく、このパースでさらに複雑となっているものと思われます。
↓ 2次元の世界とは違って、3次元の世界では『壁にバーンと抜けた型』=『輪郭線』とはならないようです。
↓ よって以下の図が最初の円の正しい模様となります。
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絵で描く楕円は『なんとなく不自然には見えない疑似楕円』ですので、知らなくても案外なんとかなると思います。
しかしながら、 『的』『噴水』『土俵』『お皿』『水の波紋』『バウムクーヘン』など、中心を表すものを斜めから描くときには知っていて損はしないと思います。
↓ 以下にまとめてみました。C図は正しい例ですが、なにぶん技術が無くてスミマセン。
※クリックすると大きく表示されます。
↓ D図は『斜めから見た円は”正楕円”』とは聞いたものの…いまいち腑に落ちていない方が描いたであろう絵の例です。
「一番出っ張っているところが後ろに隠れてしまうとは!(`□´/)/」ですね。
↓ パースについて知っていると、さらに勘違いしてしまう可能性がある様です。尖った感じの扁平な円になってしまいます。
以上、透明水彩ノートlight#1『円を斜めから見たら”正楕円”』を終わります。もし間違っていたらご指摘ください。プロじゃないのでお手柔らかに!
補足しますと、人間は『一つ目小僧』ではなく、10センチ以上離れた両眼を持っています。よって、あくまでも『理屈』の話ですのであしからず。そして、「何故”正楕円”か?」の理屈を知りたい方は数式から学習ください。
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昨日は天神橋筋五丁目の商店街で開催されたフリーマーケットに子供と行ってきました。
私の水彩画サークルに来ていただいているGさんがご自身で描かれた水彩画をポストカード販売されていました。
店頭のディスプレイも可愛く工夫されていて感心することしきり
彼女のやさしい雰囲気の絵には癒されます
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コメント
コメント一覧
この『円を斜めから見たら”正楕円”』というパースは、冒頭に記載した通り”プロの方でも勘違いしていることがある”ところに面白味を感じました。なので、”勘違いしたままでも商売ができる”レベルのことなのです。
また、”勘違いしているのに知ったつもりにさせる罪なパース”でもあり、極端な例で実証しないと凝り固まった頭にはピンと来ないのです。なので、出来るだけ大きく・近く・低く撮影しました。
実はこの記事の”前フリ記事”として、”相対性理論”の記事を面白おかしく書こうと思っていたら、文章が長くなりすぎそうなのでやめたんです。
面白おかしくないですが超ザックリ要約すると…この世の中は ”時間は一定に流れている” と思って差し支えないですが、厳密には ”動いているもの” のほうが ”止まっているもの” よりも時間が遅く経過しており、現実に人工衛星とGPSナビの間では時間のズレが微調整されています。でも、普通に生活してゆくのには問題の無い微々たる事実ですね。
それと同様に、このパースもおっしゃる通り普通に描くには全く問題ないことを伝えたかったのですが、やっぱり ”相対性理論の前フリ記事” があったほうが良かったかなぁ~
でも『風景画』ではなく『静物画』で、低いアングルから ”中央に取っ手のある丸い器” や、 ”模様のある丸いお皿” などを ”至近距離” で描くときには、知ってると知らないとで ”デッサン力” といいますか、絵の力強さが違ってくると思います。
すごく面白い視点だと感心しました。非常に退屈な指摘をひとつだけさせてください。(当たり前ですみません。)
実際の場面では、対象物との距離が問題となります。KUROKAWAさんの実験では対象物が非常に近いためズレが大きいのですが、実際の風景などでは離れているためほぼ正楕円となります。左右の目のズレも距離を取ることによって気にならなくなります。絵に描く場合は、『壁にバーンと抜けた型』=『目に写る輪郭線』だと思って描いても問題ないと思います。太陽光が平行の影を作るのと同じですね~。
感想のコメント、早々に送っていただいて嬉しいです。
アナログパースのプロの社しまさんが、正直に「感覚的に処理していた」と書いておられて、とても励まされました。そして、改めて『謙虚な方だなぁ~』と尊敬致しました。本当にプロの方でも勘違いしていることらしいのです。間違っていることを認めずに譲らない方もおられるみたいです。
私も美術短大受験のデッサンからはじまり楕円は沢山描いてきましたが、キチッと計測していると『お皿の中心は少し上にずれてるなぁ~。』と認識したり『楕円が自然に見える様に』と思って調整してきたので、ほんとに案外つきつめて考えるまで真実を認識せずに今に至りました。
絵を描く専用にこのことを解説したものが見当たらなかったので自分で作っちゃいました。記事づくりは楽しかったです。
研究熱心さに驚きです、わたしも含めてアナログのパース描きってこのあたりは感覚的に処理していたことですが改めてそうだったなあと再認識です。感覚でなんとなくこなしていたことがこのように実証していただくと、うーむお見事!