警視庁警備部が31日22時頃から1日2時頃まで、渋谷区の渋谷駅前スクランブル交差点を中心に大規模な交通規制を行なう。昨年末のカウントダウン騒乱で規制線が破られ、車両通行中の交差点内に多くの歩行者が乱入したため。

同所は数年前から、元日0時の年越しカウントダウンをする群衆が押し寄せる場所となっている。

地元の渋谷署が中心となり警備にあたり、スクランブル横断を通常の状態に切り替え横断歩道に沿って警察官による規制線を作っているが、昨年は興奮した群集に破られ、約20分にわたって交通が遮断された。

歩道からあふれる歩行者が青信号とともに両側からハイタッチですれ違い、赤信号になっても交差点内に居座ったり、歩道で花火を打ち上げたり、酒をかけあいながら騒ぎ、交通の渋滞を発生させることが、問題視されている。

過去には、地下鉄の出入口の屋根によじ登り、ガラスを破って転落、死亡した事故も発生した。

群集は年々膨らむ傾向にあり、今回は渋谷署から警視庁警備部による警戒に担当が代わり、交差点周辺での大規模な規制となった。

今年は渋谷駅前交差点のほか、道玄坂下交差点、井の頭通り入口交差点でスクランブル交差点の斜め横断を禁止。これら3つの交差点を含むエリアを「整理区域」に指定し、歩道での滞留を禁じる。

整理区域へは、店舗利用者は立ち入ることができるが、エリアを横切るような通行をする場合は、整理区域の外周を迂回路として利用することになる。

また、公共交通機関が終夜運転するが、渋谷駅周辺の利用では、JRハチ公改札口がこの時間帯に合わせて一時閉鎖されるほか、地下鉄から渋谷駅周辺に接続する出入口も、109道玄坂下交差点付近の出入口「1」と「3a」、宮益坂交差点付近の出入口「9」「10」「11」「13」「13a」以外は閉鎖される。

乗用車など車両による通行は、通常通り可能だ。

同部警備一課の千代延晃平課長は「都民のみなさまのご理解とご協力が不可欠です」と、呼びかけている。
《中島みなみ》