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 秋の味覚サンマ。その水揚げが今年、日本一の北海道から、東日本大震災で大きな被害を受けた三陸などへじわりと移ってきている。背景に何があるのか。

■北海道、トラックが不足

 東京・築地の場外市場にある鮮魚店「斉藤水産」では9月下旬以降、三陸のサンマの入荷が相次ぐ。最近の価格は、重さ約180グラムの大型で200円。脂ののりや大きさは例年並みに良いという。「三陸は輸送距離が短くて鮮度が良い。刺し身で食べると最高だよ」と斉藤善明社長。

 漁業情報サービスセンターによると、水揚げ量は10日現在、平年並みだった一昨年同期と比べ、気仙沼(宮城県)が2・5倍、女川(同)が2・9倍、大船渡(岩手県)が1・5倍。そのほか銚子(千葉県)は3・2倍で、本州全体で2倍の3万5467トンだ。

 一方、北海道東部の主な4港は3割減の6万2996トンだった。4港の全国に占める割合は64%で、前年同期より11ポイント、一昨年同期より20ポイント下がった。