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 介護施設でリハビリを終えたら家に帰りたい。そう望む入所者は3割いるのに対し、自宅に戻ってくることを希望する家族は1割に満たない。高齢者本人と家族の思いのズレが、厚生労働省の調査で浮き彫りになった。家族にかかる負担の重さが背景にある。

 調査は8月、全国の介護老人保健施設(老健)約4千カ所に対して実施(回収率50・1%)。退所のめどが立っていない高齢者と家族の意向を施設から聞き取った。約9900人について回答があった。

 対象の老健のうち、自宅復帰支援を強化して介護報酬の加算を受ける施設についてみると、退所後の行き先として自宅を希望する入所者は29・5%。対して、家族で自宅を望むのは9・0%にとどまった。通常型の老健では、自宅希望の入所者は22・5%、家族は4・3%だった。