逮捕状請求書:放置されたまま時効成立 大阪・羽曳野署
毎日新聞 2014年09月26日 21時59分
大阪府藤井寺市で1997年に起きた傷害事件を巡り、大阪府警羽曳野署が容疑者を特定したにもかかわらず、事件処理を怠り、公訴時効が成立していたことが、府警への取材で分かった。署の機械室に逮捕状の請求書や凶器とされる証拠品が放置されていた。府警は今年1月、大阪地検堺支部に時効送致し、3月に被害者の男性に謝罪した。
府警刑事総務課によると、藤井寺市内のパチンコ店で97年6月、客の男性が当時20代だった男と口論になり、掃除用のへらで顔などを切られ軽傷を負った。羽曳野署は男を割り出し、逮捕状の請求書を準備したが、男の行方は分からなかった。その後、書類は放置され、2004年6月に傷害罪の公訴時効(当時7年)が成立した。当時の担当者らは「記憶にない」と話しているという。
12年11月、署員が配線工事のために入った機械室で段ボール箱約40個を見つけて発覚。段ボールには1996年から17年間に起きた強制わいせつ事件の捜査書類なども見つかった。
一方、府警は、本来の保管場所以外から捜査書類や証拠品とみられる物品が見つかったと、府内の数十署から報告が上がっていることを明らかにした。捜査に影響がなかったかなどを調査中という。【渋江千春】