エボラ:対応能力超えていた リベリアで治療の医師報告
毎日新聞 2014年10月18日 18時09分(最終更新 10月18日 18時35分)
世界保健機関(WHO)の要請で、8〜9月に西アフリカ・リベリアでエボラ出血熱の治療にあたった日本赤十字社和歌山医療センターの古宮伸洋医師(40)が和歌山市の同医療センターで記者会見し、「現地では病床が足りておらず、患者を隔離することもできていない。地域のコミュニティーで寝かされている患者から感染が拡大している」と説明した。【稲生陽】
古宮医師は5月にも日本人医師として初めて入り、今回は8月下旬から約4週間、首都モンロビアの隔離病棟で病院職員を指導した。感染の疑いがある人や、引き取り手が現れづらい感染者の子どもも一緒に隔離されており、院内感染が起こり続けている可能性を指摘。「現場は全く余裕がない。院内の感染管理も全く行われていない。あらゆるレベルで対応能力を超えていた」と話した。
また会見の後に取材に対して、「日本では対岸の火事のようだが、欧米ではもはや他人事ではない。日本でも感染拡大の確率はある」と警鐘を鳴らした。