ナイジェリア:「ボコ・ハラムと停戦合意」発表

毎日新聞 2014年10月18日 10時03分(最終更新 10月18日 10時44分)

マイドゥグリの位置
マイドゥグリの位置

 ◇拉致した270人の女子生徒解放でも合意の報道も

 【ヨハネスブルク服部正法】西アフリカのナイジェリア政府は17日、同国北部でテロ攻撃を続けるイスラム過激派ボコ・ハラムとの停戦に合意したと発表した。ボコ・ハラムが4月に拉致した約270人の女子生徒の解放でも合意したとの報道もあるが、情報は錯綜(さくそう)している。事実なら、混乱収束への第一歩と期待されるが、ボコ・ハラム側は声明を出しておらず、状況はいまだ不透明だ。

ボコ・ハラムがナイジェリア国内で撮影したとみられる拉致した女子生徒たちの映像=2014年5月、AP
ボコ・ハラムがナイジェリア国内で撮影したとみられる拉致した女子生徒たちの映像=2014年5月、AP

 拉致されている女子生徒の解放について、ロイター通信は、今回の停戦協定は少女らの「解放を含む」とする政府報道官の言葉を伝える一方、AP通信は「解放については今も交渉中」との国防省報道官の発言を報道し、情報が錯綜している。英BBC放送は「解放については来週の会合で最終的にまとまる」との大統領側近の見通しを伝えている。政府側は女子生徒らの安否について「ボコ・ハラム側が無事だと断言した」としている。

 ボコ・ハラムは今年4月、北東部チボクで女子高を襲撃し女子生徒約270人を拉致したことで、世界中から非難を浴びている。イラクやシリアで勢力を伸ばす過激派「イスラム国」への支持を表明し、最近は従来のゲリラ戦術だけでなく、町や村を占領して面的に支配地を広げるイスラム国に似た戦術も展開しており、北東部での支配地拡大が懸念されている。

 ボコ・ハラムは北東部ボルノ州の州都マイドゥグリで2002年に結成されたイスラム過激派で「西洋の教育は罪」を意味する。政府機関やキリスト教会、教育施設や穏健派イスラム指導者などへのテロ攻撃を激化させ、同国北部の治安は極端に悪化。国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は今年上半期だけで、ボコ・ハラムの攻撃で市民2000人以上が死亡したと推計している。

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