小渕経産相:自民党にも進退論 帰国の首相、対応検討へ
毎日新聞 2014年10月18日 11時30分(最終更新 10月18日 12時46分)
小渕優子経済産業相の政治団体を巡る不明朗会計問題は18日、自民党内から辞任論が出始め、小渕氏は厳しい立場に立たされている。小渕氏は17日、来週明けにも調査結果を明らかにする意向を示したが、野党は小渕氏に焦点を当てて「政治とカネ」の問題を追及する方針だ。安倍晋三首相は17日夜(日本時間18日未明)、イタリア訪問の日程を終え帰国の途についた。日本時間18日午後に帰国後、今後の対応を検討する。近く小渕氏本人から直接説明を受けるとみられる。
首相は帰国後、小渕氏の問題や松島みどり法相の「うちわ」配布問題など、外遊中の国内情勢に関し報告を受ける。小渕氏を巡っては、支援者向けの観劇会で観劇料の一部を小渕氏の関連政治団体が負担した疑いが出るなど、多額の不明朗な会計処理が指摘されている。世論の批判も高まりつつあり、首相は情勢を慎重に見定める構えだ。
小渕氏は18日、愛知県内の三菱重工業の工場で開かれる国産初の小型ジェット旅客機の完成記念式典に出席を予定していたが、同日午前、経産省が中止を発表した。同省は「現地の混乱を避けるため」としている。小渕氏は17日の衆院経産委で「知らなかったでは済まされない」と自身の責任論に言及していた。
このまま問題が拡大すれば、安倍内閣の政権運営に響きかねないとの懸念も出ている。自民党は小渕氏の調査を見守る構えだが、同党の閣僚経験者は18日午前、「本人の意向次第だが、閣僚を続投しても難局は乗り切れない」と述べ、辞任は避けられないとの見方を示した。小渕氏が所属する額賀派の中堅議員も「ここまで来ると閣僚は辞めないといけない」と述べるなど、早期の決断を求める声が広がりつつある。【木下訓明、ミラノ仙石恭】