もーそー
ちょっと休憩の気分で、『ファミリーポートレイト』をちら読みした。
未読の方用に説明すると、桜庭一樹さんの母と娘の逃避行の物語だ。
母と子供の逃亡の物語なので、七男と七男ズママンを思い出す。
母であるマコが「きらきらの女の子だった」と美人設定だからだな。
まぁ、七男も「今若、逃げるわよ」と言われて、とりあえず危機らしい状態で母に連れられてこっそり逃げ出したわけじゃないですか。
七男も最初は泣きわめき、「黙れ小僧」と母に叱られたわけですから、最初はあんまり危機を理解してなかったんですよ。
よくわからんが、母が連れ出してくれたって安心感はあったと思います。安心感ゆえのいつもの甘えみたいな。
七男のキャラは、叱られて自分の立場を理解するわけですね。ああ、やべえんだなって。
八男は泣き続ける、あんまり状態がわかってないキャラです。
七男ズママンの中では長男にあたる、年長の七男と、幼い八男の対比ですね。
で、九男は赤ちゃん。「九男を抱えているので、七男ズママンは八男を抱いて歩くこともできない」とありますので、母とセットであり、一番守られているキャラになります。
この母と息子たちの逃亡の日々。
七男は年齢的に徐々に色んなことを学び始める時ですね。しかしまだまだ子供ですし、子供扱いは受けていたでしょう。
逃避行で七男はいきなり大人になることを要求されます。
よくわかるのが、七男ズママンが七男のみに泣き言をもらしているシーンですね。もう七男ズママンはあの時、七男を子供として見ていません。大人に話す内容を口にして、しなだれかかってます。
七男はあの時八歳という年齢で、不安と絶望の中の精神的支えにならなくてはならなかったのです。
子供でも息子でもない、一人の男だったといえるでしょう。
まぁ現実的の力はまるでありませんが。
七男はこの時何を思ったのかといえば、自分は父に成り代わったと思ったんじゃないでしょうか。
母を支えていた父が死に、母は今や自分を頼ってくる。
母は自分を守るようでも、弱々しい。キレイな母は守るべき大切な宝石のようなものです。
七男は八男に向かって「私も泣かないからお前も泣くな」と励ましたりしてますので、役割を果たそうとしているでしょう。
でも、八男を疎ましく感じたでしょうね。
あんまりよくわかってないからKYなこと言うしする。面倒なことをしだす。
ある意味足手まといである八男は、七男にとっては現実的に無力な自分の象徴でしょう。心の中で非難することにより自分を正当化しようとした時もあったんじゃないでしょうか。
母にバレないように殴りつけたりとか。
九男はといえば、母が一番に守るものです。いきなり大人になった七男にとっては、何もせずとも母の愛を得て、自分はもう母に守ってもらえないこともあり、嫉妬の対象にもなったでしょう。九男はいつかの自分です。
七男は母に向かって「私が死んだらどうするの?」と質問するシーンがあります。七男ズママンは「私も死ぬわ」と答え、「母と死ねるならかまわない」と返し、包み込むように顔をあわせ泣きだします。
七男が大人の男のようにナイスな慰め方をする名場面ですね。
しかし、ポイントなのは、七男は「私が死んだらどうするの?」と聞いています。
ここは愛情確認をしているわけです。そして、「私も死ぬわ」と返されてえらく満足しています。
母は父とともに死ぬこともなく、自分たちを助けることを選択してくれました。
九男は母に守られて愛されていますが、九男は赤ちゃんです。
七男はこの前に母に大人扱いを受けています。
この瞬間のみは、母の中で一番は自分だと確信できたシーンにもなります。
父の代わりとなり、母のすべてを受け止めて泣く七男がいます。
さてはて、七男一行は祖母が捕らえられたことにより、六波羅に行くことになります。
自分はもう死ぬのだなぁと思いますが、母もともに死ぬわけですし、つまりは同化するので、「それならかまわない」という気持ちだったでしょう。
ここからは有名なシーンですね。
七男ズママンはしおしおと泣き崩れ、もそもそと「私から殺してくれ」と訴えます。
そのしおしおと泣く七男ズママンを見て、平パパンは欲じょ……よくない気が起こります。
平パパンは処刑をとりやめ、後で七男ズママンに手紙を送ります。もちろん七男ズママンはシカトするんですが、平パパンは「言うことを聞かないと子供たちがどうなるか」と、エロ本にありそうな脅しをしかけてきます。
泣く泣く七男ズママンは平パパンに従うわけです。が、おかげさまでみんなの命は助かりました。
ちなみに、この話のオチは「美人は得だ」という「ただしイケメンにかぎる」みたいなことが書いてあります。
個人的には「嫁が怖くないと、脅しつけて女をゲットできる」とも書いてほしいです。
まぁ、ともかく。
これ、平パパンが一方的によくない気を起こしたのでしょうか。
七男ズママンは千人の中から選ばれるほどの美人です。美人だからみんなの命が助かったと書かれているように、前にも得をしたことは幾度もあったでしょう。
自分の美しさを知らない美人はいません。
どこかで、七男ズママンは誘っていたんじゃないでしょうか。
まだこんなに美しい女がいますよ。美味しい果実がここにありますよ。
そんな風に泣き崩れていたんじゃないでしょうか。
七男はここで平パパンを見て、母を見てから
「泣いていたら何を言っているのかわからないからはっきり話せ」
と言い放ちます。
厳しい突き放すような言葉です。
母は父を捨てて他の男に乗り換えるつもりである。
父を捨てる、つまりは代わりである自分も捨てる。
女は簡単に男を見放すという怒りがあった…………
…………以上、『ファミリーポートレイト』を読んで「女と母」「母と子供」「母と子の歪んだ愛情」から触発されたわしの妄想でした。
七男ズママンはパパリンを恨んだり、七男に泣き言もらしたり
結構どうしようもない女系だよね。
物語の人物として見ると。
未読の方用に説明すると、桜庭一樹さんの母と娘の逃避行の物語だ。
母と子供の逃亡の物語なので、七男と七男ズママンを思い出す。
母であるマコが「きらきらの女の子だった」と美人設定だからだな。
まぁ、七男も「今若、逃げるわよ」と言われて、とりあえず危機らしい状態で母に連れられてこっそり逃げ出したわけじゃないですか。
七男も最初は泣きわめき、「黙れ小僧」と母に叱られたわけですから、最初はあんまり危機を理解してなかったんですよ。
よくわからんが、母が連れ出してくれたって安心感はあったと思います。安心感ゆえのいつもの甘えみたいな。
七男のキャラは、叱られて自分の立場を理解するわけですね。ああ、やべえんだなって。
八男は泣き続ける、あんまり状態がわかってないキャラです。
七男ズママンの中では長男にあたる、年長の七男と、幼い八男の対比ですね。
で、九男は赤ちゃん。「九男を抱えているので、七男ズママンは八男を抱いて歩くこともできない」とありますので、母とセットであり、一番守られているキャラになります。
この母と息子たちの逃亡の日々。
七男は年齢的に徐々に色んなことを学び始める時ですね。しかしまだまだ子供ですし、子供扱いは受けていたでしょう。
逃避行で七男はいきなり大人になることを要求されます。
よくわかるのが、七男ズママンが七男のみに泣き言をもらしているシーンですね。もう七男ズママンはあの時、七男を子供として見ていません。大人に話す内容を口にして、しなだれかかってます。
七男はあの時八歳という年齢で、不安と絶望の中の精神的支えにならなくてはならなかったのです。
子供でも息子でもない、一人の男だったといえるでしょう。
まぁ現実的の力はまるでありませんが。
七男はこの時何を思ったのかといえば、自分は父に成り代わったと思ったんじゃないでしょうか。
母を支えていた父が死に、母は今や自分を頼ってくる。
母は自分を守るようでも、弱々しい。キレイな母は守るべき大切な宝石のようなものです。
七男は八男に向かって「私も泣かないからお前も泣くな」と励ましたりしてますので、役割を果たそうとしているでしょう。
でも、八男を疎ましく感じたでしょうね。
あんまりよくわかってないからKYなこと言うしする。面倒なことをしだす。
ある意味足手まといである八男は、七男にとっては現実的に無力な自分の象徴でしょう。心の中で非難することにより自分を正当化しようとした時もあったんじゃないでしょうか。
母にバレないように殴りつけたりとか。
九男はといえば、母が一番に守るものです。いきなり大人になった七男にとっては、何もせずとも母の愛を得て、自分はもう母に守ってもらえないこともあり、嫉妬の対象にもなったでしょう。九男はいつかの自分です。
七男は母に向かって「私が死んだらどうするの?」と質問するシーンがあります。七男ズママンは「私も死ぬわ」と答え、「母と死ねるならかまわない」と返し、包み込むように顔をあわせ泣きだします。
七男が大人の男のようにナイスな慰め方をする名場面ですね。
しかし、ポイントなのは、七男は「私が死んだらどうするの?」と聞いています。
ここは愛情確認をしているわけです。そして、「私も死ぬわ」と返されてえらく満足しています。
母は父とともに死ぬこともなく、自分たちを助けることを選択してくれました。
九男は母に守られて愛されていますが、九男は赤ちゃんです。
七男はこの前に母に大人扱いを受けています。
この瞬間のみは、母の中で一番は自分だと確信できたシーンにもなります。
父の代わりとなり、母のすべてを受け止めて泣く七男がいます。
さてはて、七男一行は祖母が捕らえられたことにより、六波羅に行くことになります。
自分はもう死ぬのだなぁと思いますが、母もともに死ぬわけですし、つまりは同化するので、「それならかまわない」という気持ちだったでしょう。
ここからは有名なシーンですね。
七男ズママンはしおしおと泣き崩れ、もそもそと「私から殺してくれ」と訴えます。
そのしおしおと泣く七男ズママンを見て、平パパンは欲じょ……よくない気が起こります。
平パパンは処刑をとりやめ、後で七男ズママンに手紙を送ります。もちろん七男ズママンはシカトするんですが、平パパンは「言うことを聞かないと子供たちがどうなるか」と、エロ本にありそうな脅しをしかけてきます。
泣く泣く七男ズママンは平パパンに従うわけです。が、おかげさまでみんなの命は助かりました。
ちなみに、この話のオチは「美人は得だ」という「ただしイケメンにかぎる」みたいなことが書いてあります。
個人的には「嫁が怖くないと、脅しつけて女をゲットできる」とも書いてほしいです。
まぁ、ともかく。
これ、平パパンが一方的によくない気を起こしたのでしょうか。
七男ズママンは千人の中から選ばれるほどの美人です。美人だからみんなの命が助かったと書かれているように、前にも得をしたことは幾度もあったでしょう。
自分の美しさを知らない美人はいません。
どこかで、七男ズママンは誘っていたんじゃないでしょうか。
まだこんなに美しい女がいますよ。美味しい果実がここにありますよ。
そんな風に泣き崩れていたんじゃないでしょうか。
七男はここで平パパンを見て、母を見てから
「泣いていたら何を言っているのかわからないからはっきり話せ」
と言い放ちます。
厳しい突き放すような言葉です。
母は父を捨てて他の男に乗り換えるつもりである。
父を捨てる、つまりは代わりである自分も捨てる。
女は簡単に男を見放すという怒りがあった…………
…………以上、『ファミリーポートレイト』を読んで「女と母」「母と子供」「母と子の歪んだ愛情」から触発されたわしの妄想でした。
七男ズママンはパパリンを恨んだり、七男に泣き言もらしたり
結構どうしようもない女系だよね。
物語の人物として見ると。
2014.10.18(Sat)05:31