【ワシントン=小竹洋之】米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は17日、ボストンで講演し、米国の経済格差の拡大を「強く懸念している」と述べた。上位5%の富裕層に富の6割以上が集中しているなどと指摘し、教育や起業の門戸を広げる必要があるとの認識を示した。最近の経済情勢や金融政策の運営方針には言及しなかった。
議長によると、上位5%の富裕層の平均所得は1989年から2013年にかけて38%増えたのに対し、残り95%の世帯は10%以下の伸びにとどまった。議長は「米国では所得や富の不平等がかつてないほど広がっている」と指摘。「米国に根づく価値観と合致しているかどうかを問う必要がある」と語った。
イエレン、FRB