高血圧学会2014発表用
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高血圧学会 メタ分析の使い方

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高血圧学会2014発表用 Presentation Transcript

  • 1. メタ分析とシステマティックレ ビューを どう使うか ー降圧薬を例にー 名郷直樹 
  • 2. 最初に確認1  メタ分析はエビデンスレベルの最高位にあるわ けではない  元論文のバイアス  元論文統合時のバイアスが付け加わる  原著論文よりバイアスの危険が高い  単独のランダム化比較試験も問題あり  エビデンス全体を眺める必要性
  • 3. 最初に確認2  EBMとは  エビデンスそのものについてのものではなく  エビデンスの使い方についてのものである
  • 4. EBMの5つのステップ 1. 問題の定式化 2. 問題についての情報収集 3. 得られた情報の批判的吟味 4. 情報の患者への適用 5. 1-4のステップの評価
  • 5. 「使い方」といいつつ「読み方」  PECOを読む  Patient:どんな患者に  Exposure:どのような治療、検査をしたら  Comparison:どんな治療、検査と比べ  Outcome:どうなるか  一次アウトカムの結果を読む
  • 6. 今回取り扱う問題  Patient:高血圧の患者に  Exposure:ARBを投与して  Comparison:他の降圧薬と比べて  Outcome:血圧が下がるか 脳卒中が減少するか 死亡が減少するか 幸せになるか
  • 7. 確認3  幸せをアウトカムとする研究はない  症状のない高血圧患者は、治療によって QOLが損なわれることはあるが、改善する ことはない  仕方なく脳卒中を予防するという論文を使う  仕方なく寿命を延ばすという論文を使う
  • 8. 降圧薬のシェア:ARBがダント ツ http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/special/hyper/pickup/201104/
  • 9. 薬価はどうか  フルイトラン1mg 9.6円  ナトリックス1mg 12.2円  ロプレソール20mg 15.7円  エナラプリル2.5mg 37.7円  アムロジピン2.5mg 32.1円  バルサルタン40mg 61.4円  イルベサルタン50mg 68.5円  カンデサルタン4mg 72.3円  ロサルタン25mg 75.5円
  • 10. 高価なARBが第一選択と なるには? 同じ性能なら安いものを買いたい
  • 11. ELITE  Lancet 1997; 349: 747–52  死亡は一次アウトカムでも二次アウトカムでもな い 相対危険減少 46% [ 5– 69%]
  • 12. ELITEII  Lancet 2000; 355: 1582–87  死亡は一次アウトカム 相対危険 1・13 [0・95– 1・35]
  • 13. ACEとARBを比較したメタ分析 Journal of Hypertension 2007, 25:951–958
  • 14. ARBとCa拮抗薬:心血管イベン ト Lancet 2004; 363: 2022–31.
  • 15. 日本でどうか データ捏造がなかったとして
  • 16. JIKEI HEART STUDY  心血管イベント 0.61 ( 0.47~ 0.79) Lancet 2007; 369: 1431–39
  • 17. 個別のアウトカムで見ると  PROBE試験:ハードエンドポイント以外は 怪しい  入院、症状と問題のあるアウトカムで差が大 きい!
  • 18. アウトカムが変更されている!  研究デザインの論文  心血管イベントの発症(脳卒中、一過性脳虚血発作 、急性心筋梗塞、心不全の発症か悪化、狭心症の発 症か悪化、解離性大動脈瘤、下肢の動脈閉塞、透析 導入、血清クレアチニンレベル2倍の上昇) Cardiovasc Drugs Ther. 2004;18:305-9.  結果報告の論文  心血管疾患の罹患と死亡(脳卒中、一過性脳虚血発 作による入院、心筋梗塞、心不全による入院、狭 心症による入院、解離性大動脈瘤、血清クレアチ ニンの2倍の上昇、透析導入)
  • 19. その後ARBとその他:心血管死 亡BMJ. 2011 Apr 26;342:d2234.
  • 20. 心不全:相対危険0.88(0.80- 0.A9R8B)が勝るというのはほとんど日本からの 報告
  • 21. 出版バイアス  統計学的には検出されず
  • 22. ARBの心不全に対する効果  出版バイアスによるものか  日本人に対する特異的な効果か  JIKEI、KYOTOから、後者の考えは取りにくい  残りの研究は極めて小規模  今となっては  日本の捏造論文と小規模研究によるバイアス として説明する方が妥当ではないか
  • 23. 振り返って:私のARBの使い方  ELITEは偶然の差の可能性が高いのでまず ACE、他の降圧薬から  ELITEIIではACEとARBに差がなく、使い 慣れ、薬価の安いACE、他の降圧薬を優先  その後のメタ分析、VALUEでも同様  JIKEI、KYOTOはPROBEでソフトアウト カムでの差が主体、デザインに決定的な問題  その後のメタ分析でもARBと他の降圧薬は 同等で、薬価の安い他の降圧薬を優先
  • 24. ディオバンの事件を振り返って  臨床疫学、生物統計学を基盤に  時系列で  エビデンス全体を吟味できれば  少数の問題ある論文に左右されることなく  エビデンスを上手に使って  妥当な判断ができる
  • 25. まとめ  いかなるエビデンスが提示されようとも  患者の幸福のため  社会の幸福のため  エビデンスを使うのは、わたしであり、あな たです  具体的には  高価で効果が同等なARBを第一選択として使 い続けるのかどうか  皆さんに問いかけたい