国語世論調査:「名詞+する」定着 チンする、お茶する…
毎日新聞 2014年09月24日 21時17分(最終更新 09月25日 06時07分)
◇文化庁「造語力の表れ」
「チンする」「お茶する」といった動詞表現が、日常語に定着していることが24日、文化庁が公表した2013年度「国語に関する世論調査」で分かった。「チンする」(電子レンジで加熱する)は9割が「使うことがある」と回答し、「お茶する」(喫茶店に入る)も7割近くが使っていた。こうした「〜する」という言葉は辞書に載っているものもあり、同庁は「日本語が持つ造語力の表れ」と好意的だが、「意味が分からない人もおり場面に応じた使い方を」とも呼びかけている。
調査は、言葉への関心度や慣用句の理解度を調べるのが目的で、1995年度から毎年、全国の16歳以上の男女を対象に面接調査方式で実施している。
今回は初めて「〜する」という形の10個の動詞について調べた。使っている人の割合が最も高かったのは「チンする」(90.4%)で、次いで「サボる」(なまける)86.4%▽「お茶する」66.4%▽「事故る」(事故を起こす、事故に遭う)52.6%▽「パニクる」(慌てる)49.4%−−が続いた。戦前から使われているとされる「タクる」(タクシーに乗る)は5.9%にとどまった。
使用割合を年代別(10〜60代、70歳以上)で見ると、「チンする」はどの世代でも9割前後に上り、広く「支持」されていた。一方、「パニクる」は10〜30代はいずれも7割以上と高かったが、40代以降は年代とともに下がり、70歳以上は2割弱だった。
「お茶する」は30〜40代で約9割が使っているが、10代は5割程度。大学生では「スタバる」(スターバックスコーヒーの店に行く)のように、チェーン店の名前をつけた言い方が使われているという。
同庁は「『タクる』は使う人が限られるが、『チンする』は日常生活の中で便利な言葉として使われ、定着したようだ」と話している。【三木陽介】